尊厳に寄り添う教育を

2019年度一般会計決算報告の様子

中1自死の教訓・活発議論
鹿教組定期大会

県教職員組合奄美支部(星村博文支部長、組合員160人)は4日、第67回定期大会を奄美市名瀬の奄美文化センターで開催した。2019年度総括、決算が行われ、2020年度活動方針・スローガン・予算などが採択された。大会スローガンは「集い 語り合い つながる」であり、討論では2015年の奄美市中1自死問題の教訓に触れるなど、活発な議論が交わされた。

19年度総括は「民主教育の確立」「労働条件改善」「賃金引上げ」「平和と民主主義を守る」などの観点からまとめられた。子どもの権利条約を生かした学校づくりや性別で分けない名簿、教員の業務改善の取り組みやストレスチェックなどが盛り込まれた。

19年度一般会計決算・監査報告では、出席者から飲食を伴う会合を減らすことなど、支出のスマート化が提案された。20年度一般会計予算案の採択では、各費目が何に使われているか可視化してほしいとの要望も出た。

19年度総括・20年度活動方針についての討論では、複数の出席者から、15年に奄美市で起きた中1自死問題について言及があった。「教員同士のコミュニケーション不足も中1生徒を追い詰めた一因。ここから何を学ぶべきか。研修などを提案したい」「現在も、サポートが必要な子どもをターゲットにして高圧的に接する事例がある。正すべきは教員」「教員が子どもを死に追いやってしまった事件。子どもがいてこその我々教員。子どもたちに学ぶべき」など、活発な議論が交わされた。自死した生徒の同学年は、高校進学後の中退事例が多いとの指摘もあり、生徒らの心のケアが必要との意見も出た。

大会の最後には、大会宣言「改憲に反対し、憲法理念の実現をめざす特別決議」「『改正』給特法5条にもとづく『1年単位の変形労働時間制』に反対するとともに、超勤・多忙化を排除し、働きやすい職場づくりと飛躍的な組織拡大に全力で取り組む特別決議」が採択された。

星村支部長は閉会のあいさつで中1自死問題に再び触れ、「教員一人一人がどう行動するか。保護者や生徒を交えた対話集会を実施したい。自分のできることをやっていくのが大切」と締めくくった。