大島学区説明会  地元への進学促進を

公立高生徒募集定員策定に向け、奄美大島・喜界地区対象の説明会が開かれた

高校定員策定で意見交換
中卒予定者 前年比134人減見込み

県教委高校教育課は8日、奄美市名瀬の奄美会館で県公立高校の2021年度生徒募集定員策定に関する説明会を開いた。大島学区(奄美大島、喜界島)内の学校機関や自治体関係者など約90人が参加。募集定員の発表(10月上旬予定)を前に人口減少に伴う学校存続や、高校進学の対応について意見を交わした。

大島学区説明会は7・8日の2日間行われ、初日は群島南部3島を対象に、与論島会場で開催。2日目の奄美市会場では各自治体から教育長や担当部署のほか中学校・高校担当者、PTA関係者が参加した。

主催した同課が来年度募集定員策定までの流れを説明。今月10日から進路希望調査を実施し、8月中旬に調査結果を公表。10月の募集定員発表を見込むという。

19年度県全体の中学卒業者数は1万5105人(19年5月1現在の在籍者数)で、受検倍率は0・81倍。大島学区は卒業者数1075人(同)で、募集定員1120人(28学級)に対する受検倍率は0・65倍、充足率は0・68倍にとどまっている。

21年3月、県全体の中学校卒業予定者は前年度から223人減って1万4882人。大島学区は941人で前年比134人減となる見込み。来年度募集に向け県教委は卒業生減少と、それに伴う受験倍率、充足率の対応を課題に挙げている。

同課の鶴田紋太郎参事は「必要な教育プログラム維持のため、小規模化に歯止めをかけることは極めて重要」と述べ、地元校への進学促進につながる学校づくりを提言した。

また新型コロナウイルス感染拡大による募集への影響を問われたのに対し、「多くの学校で定員割れの状況。それを超えるほど県外からの流入は見られず、現時点で(影響は)ない」との見解を示した。

大島教育事務所の松本遵=じゅん=所長は「学校・家庭・社会の各現場が連携した、教育環境の整備につとめたい」と述べた。