認知症高齢者の見守りボランティアら交流会

交流会の様子

対応学び、意見交換
奄美市結とも

 奄美市高齢者福祉課は18日、認知症高齢者支援ボランティア「結とも」の第1回交流会を開催した。「結とも」は同市の各地域で認知症高齢者の見守りや話し相手を務めるボランティアの名称。11人のボランティアらがDVDで認知症高齢者への対応を学び、意見交換を行った。

 「結とも」は認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを目指す同市の取り組みの一環。2018年に発足。認知症高齢者ボランティア講座を修了した人が登録できる。登録者19人、活動者4人。活動内容は▽認知症高齢者の生活状況の見守り▽あいさつ・声掛け▽話し相手として訪問―など。

 交流会ではまずDVDで認知症高齢者に対する対応を学んだ。食事をとったことを忘れている高齢者にどう対応するか、道に迷っている高齢者にどう声をかけるかなど、シーン別に実践的な対応を学習した。

 次いで、「結とも」である奄美市名瀬の福山美保子さんが自分の活動について発表した。福山さんは退職後、何かできることはないかと模索していたところ、新聞で養成講座の情報を見て参加。ある認知症高齢者を定期的に訪問していたが、仕事が忙しくなり訪問ができない日が続いた。その間にその高齢者は体調を崩して入院してしまったという経験を話した。「そう(入院)させないための私たちボランティアなのに」と無力感を感じたという。

 これに対し他の「結とも」からも、「重圧を感じたら続かない」「自分も高齢者への対応を模索中に、コロナの影響で訪問ができなくなった」と共感の声が多く挙がった。

 一方、「訪問ができなくても、手を挙げてあいさつするだけで、その人に対する『あなたは一人ではない』というサインになる」との意見も出た。唯一の男性参加者・皆田幸一さんからは「男性ももっと参加するべき」との声も上がった。

 福山さんは「皆さんに自分の体験を話せてよかった。『結とも』は自分の生きがい」と話した。

 同課の山名倫子さんは「皆さんが結ともの活動をどう思っているか、本心を知ることができた。現在活動していない方にもいい影響があったと思う。今後も年1回程度のペースで開催していきたい」と話した。

 8月9日には養成講座が開かれる。

▽日時=8月9日午後1時~4時

▽場所=奄美市役所5階大会議室

▽対象者=地域でボランティア活動をする意欲のある人

▽申込=名瀬包括支援センター電話0997-52-1111(内線5033)

▽申込期限=8月5日

 山名さんは「『結とも』は自分の住んでいる地域の高齢者を見守るため、近隣の人の協力が必要。『近くの人が近くの人を見守れる』よう、多くの人に参加してほしい」と呼び掛けている。