クラスター2・3次にシフト

県内初のクラスターが発生した鹿児島市内のショーパブ

「予防・防止徹底」「差別、偏見謹んで」
県内コロナ感染

 県内の新型コロナウイルス感染者数は18日までに164人が確認されている。そのうち、鹿児島市内のショーパブで発生したクラスター(感染者集団)関連では従業員や来店者の濃厚接触者から、さらにその家族や職場などへと広がっている。2、3次感染者事例の発表は減りつつあるが、県や鹿児島市は「感染リスク忘れず予防・防止の徹底を。また感染者側への不当な差別、偏見を慎んでほしい」と県民に注意喚起している。

 今月2日、同市内のショーパブ「NEW おだまLee男爵」で従業員と来店客の感染が相次いだため、行政による調査で県内初のクラスター発生が確認された。17日現在、従業員と来店者、濃厚接触者の感染者を合わせ116人に上り、居住地は同市など県本土の12市2町に及ぶ。奄美群島の自治体はない。

 これまでの発表によると感染した従業員、来店者(1次)の濃厚接触者からの感染数は28人(2次)。さらにその濃厚接触者からの感染数(3次)は17人。年齢層は80代までの男女と幅広く、10日の発表では初めて10歳未満(男子)の感染例も報告された。

 これまでの発表から濃厚接触者の家族や知人、職場関係者、学校など日常生活で関わる範囲で確認。新型コロナの高い感染力がうかがえる。なお発生最初の感染ルートはいまだ特定できておらず、行政側は引き続き3次感染の動向を注視していく方針だ。

 一方で県は会見の中で感染者や医療従事者、その家族への偏見や差別があるとして相談を受けるケースは少なくないと指摘。風評被害につながる行動を慎むよう県民に強く呼び掛けている。

 県健康増進課は「3次感染の報告例がやや減少していることについて、事態が収束方向にあるとは言えない」とした上で、PCR検査の結果、調査中の感染者行動歴や濃厚接触者の把握につとめる考え。また今回のクラスター発生を受け、スナックなど「接客を伴う飲食店」に通達した今月21日までの休業協力要請について、「延長するかは検討中」(同課)とした。

 県内では18日時点で66人が医療機関に入院中、1人が宿泊施設に滞在し、1人が自宅待機している。