「FAAVO奄美群島」が発足し、勉強会初日は成功事例などを紹介した(奄美自治会館内)
奄美群島広域事務組合は20日、インターネットで出資を募る「クラウドファンディング」サービスの運用を開始した。起業意欲のある群島内の個人や団体への資金調達サポートが目的。県内で自治体主体による同サービスの運用は例がなく、各島にキュレーター(応援者)を配置するなど、起業成功に向けてバックアップしていく。
近年、地域活性化を目的にネット上で事業出資を募る動きが活発化。同組合は島の新たなチャレンジを応援する場を創出しようとクラウドファンディング「FAAVO奄美群島」を立ち上げた。
同組合のスタートアップ支援実証事業として2019年度から3カ年で計画され、①起業者の応援②出資達成をともに目指すキュレーターを各島に配置③応援体制の構築―の柱を展開。資金提供の対価として、出資者が商品やサービスを受け取る「購入型」の形態を進めていく。
2年目の20年度は公式プラットフォームの開設、群島離島での勉強会開催などを計画。募集中のプロジェクトは、▽ジャガイモねんどの商品化(沖永良部)▽離島留学生を迎えるアトリエシェアハウス(同)▽古民家リノベーション(喜界)。目標額が設定され、現在出資を募っている。
同組合奄美振興課は「群島内外から応援する気持ちを幅広く募りたい」として、今後SNSや行政、関係機関を通じて取り組みの周知を図る考えだ。
同日は、奄美市名瀬永田町の奄美自治会館で勉強会初日(北大島会場)を開催。同市や龍郷町から参加があり、受講者はクラウドファンディングを活用した奄美での成功事例紹介などに耳を傾けた。
5年前にUターンしたという男性(69)は「物販やツアーガイドなど起業の可能性を探りたい。資金調達が重要なので情報や起業方法をたくさん学びたい」と話した。
勉強会の日程は、▽30日=与論島▽8月1日=南大島▽2日=喜界島▽11日=沖永良部島▽21~23日=徳之島。
サービスサイトは(https://camp-fire.jp/faavo/partner_page/faavoamamigunto)。問い合わせは0997―52―6032まで。