監視強化へ合同パト

大和村の山間に入り動植物の解説を受ける関係機関職員

夏休み前に知識身に付ける
希少野生生物保護対策協

 希少野生生物保護対策協議会(事務局・県自然保護課)は20日、関係機関と合同で希少野生動植物の盗採に対する監視体制を強化するパトロールを行った。夏休み期間を前に、観光客などの来島者や地域住民への注意喚起と、職員の知見の蓄積、関係機関の連携を密にするため。同協議会はこの時期に毎年対策会議を実施しており、合同パトロールはその一環という。

 この日は環境省奄美自然保護官事務局、林野庁鹿児島森林管理署、県大島支庁や県の関係課、瀬戸内警察署、5市町村の関係課などから24人の職員が集い、2班に分かれて活動。希少野生動植物保護推進員の常田守さん、勝廣光さんの指導のもと、職員らは大和村と宇検村の希少野生動植物の生育、生息ポイントを8か所まわった。

 出発式で環境省・離島希少種保護専門官の後藤雅文さんは「今年、奄美空港から利用客の希少動植物の持ち出し確認の問い合わせが複数あった」と話し、「いちばん重要なことは、関係機関の連携を密にすること」と強調した。

 パトロールではまず、外来種で強靭な繁殖力を持つアメリカハマグルマの生態や駆除方法を解説。また、九州・沖縄の本土や離島に生息する「キムラグモ」の巣を発見し、勝さんの指導を受けながら観察する場面も。

 県自然保護課・羽井佐幸宏課長は、「地域の職員が知識を身に付け見回ることで、島の宝である希少な動植物、生態系を守っていきたい」と語った。