「ミズガンピ」開花

西康範さんが撮影した「ミズガンピ」の開花

清涼感たっぷり
隆起サンゴ礁に群生

 ようやく梅雨明けした奄美地方は夏真っ盛りだが、周辺に涼風を届けるような清涼感たっぷりの花が開花している。隆起サンゴ礁地帯に群生する「ミズガンピ」。奄美大島北部で隆起サンゴ礁上にはうように自生しながら開花しているのを西康範さんが撮影した。

 『琉球弧・植物図鑑』(南方新社)によると、奄美以南に分布、海岸の隆起サンゴ礁上に生える常緑低木。枝はよく分枝し、隆起サンゴ礁を覆うように群生する。

 奄美大島では自生地が少ないが、西さんは「隆起サンゴ礁地帯の沖永良部島や喜界島には群生地があり、特に沖永良部島は多いと聞いている」と話す。白色の花を周年咲かせ、西さんによると撮影地では3割程度開花していたという。開花後の果実は萼筒=がくとう=に包まれ、褐色に熟す。

 このミズガンピのほかイソマツ、モクビャッコウなどの群落がある喜界島の荒木・中里海岸の「隆起サンゴ礁上植物群落」は2013年、国の天然記念物に指定された。