ビジネスアイデアを形に

キャンドルづくりに取り組む生徒ら

完成品を手に笑顔の生徒ら

奄高生らオリジナルキャンドルづくり
Amanicoで販売予定

 奄美市名瀬の奄美高校(宇都尚美校長)商業科2年生の生徒ら14人が21日、「商品開発」の授業でキャンドルづくりを行った。同科目は商品の企画立案から販売までを生徒自身で行う。生徒らは同市名瀬朝仁町のAmanico(アマニコ)のガイド・白畑梓さんを講師に迎え、島の砂やシーグラスを用いて奄美の海をイメージしたオリジナルキャンドルを作っていた。

 キャンドルづくりの企画は同科2年生の才田愛加里さん(16)が発案。奄美を訪れた観光客にキャンドルを買ってもらい、使った時に奄美の景色や香りを思い出してもらってリピートにつなげたいという具体的なビジョンを描いてプレゼンした。

 協力を得られる地元企業を探したところ、キャンドル事業部を持つAmanicoが見つかった。「自分のやりたいこととドンピシャで一致するAmanicoさんの協力が得られてうれしい」と才田さん。

 Amanicoはマリンスポーツのほか、キャンドルづくり体験事業を手掛ける。講師を務めたガイドの白畑さんは同校の卒業生。「島の人に奄美の海の美しさを伝えたいと考えていたので、高校生らと一緒に活動できてうれしい」と話した。

 キャンドルは直径4・6㌢、高さ16・7㌢のビンに、生徒らが海岸で採取した砂や貝がら、シーグラスなどを配置し、透明なジェル状のロウを注いで作成。ロウには色や香りをつけることもでき、気泡やラメを入れることも可能。

 生徒らは思い思いに奄美の海を表現したキャンドルを作った。途中キャンドルの芯が取れてしまうなどのハプニングに見舞われながらも、根気よく材料をピンセットでつまんでビンの中に並べていた。

 ロウを何層にも分けて注ぐなどこだわりの製法で、透き通った海底に貝やシーグラスが沈んだような、プロ顔負けのキャンドルが完成した。

 透明なロウと澄んだブルーのロウを組み合わせて、目に涼しげなグラデーションのキャンドルを作った有吉愛佳さん(17)は「奄美の海が好きな人をターゲットに、貝やシーグラスがたくさん入ったキラキラした海を表現した」と完成品をPR。「全部の工程が難しかった」と作成の苦労を振り返った。

 完成したキャンドルは台風の時の防災用品として使うことができ、瓶入りのため湿気に強いという利点も。また、使用後にロウを拭き取れば貝がらを自然に返すことができる。

 生徒らの作成したキャンドルは同社の店舗・オンラインショップなどで販売予定。問い合わせはAmanico電話0997-58-7879まで。同社のキャンドルづくり体験は税込4000円~(材料費込)。