今年は中止が決定したショチョガマの祭り(昨年9月6日早朝の祭りの様子)
龍郷町の「秋名・幾里集落運営委員会」は18日、秋名コミュニティーセンターで会合を開き、9月20日(日)に予定していた国の重要無形民俗文化財に指定されている「秋名アラセツ行事(ショチョガマ、平瀬マンカイ)」開催について協議した。その結果、大きな社会問題化している新型コロナウイルス感染症対策として「ショチョガマ」の開催中止を決定し、「平瀬マンカイ」は、「秋名アラセツ行事保存会」(窪田圭喜会長、会員約45人)の会員のみで行い、「観客なしで開催する」ことを決めた。
窪田会長(79)によると、同運営委員会には約30人が出席、いろいろな意見が出た。
ショチョガマは、2集落を一望できる山の中腹の祭場に建てられた、わら葺きの片屋根のこと。ショチョガマの祭りでは、今年の農作物の恵みに感謝し、天災などがなく、集落民が平和に暮らせるよう祈願する。
ショチョガマは早朝に行われ、祭場に多数の集落民らが集まり、祭場周辺にも集落民、町民、観光客、見物客らが多数訪れている。「ショチョガマの上に100人以上乗ることもある。ショチョガマは、密集、密接が懸念されるため、今年は中止を決めた。秋名・幾里地区で新型コロナウイルス感染者を出すわけにはいかない。感染を危惧しての判断」「平瀬マンカイは、保存会会員のみで厳かに執り行いたい。参加会員は検温する。昨年まで終了後に行っていた八月踊りもしない予定。(申し訳ないが)観光客や見物客らの来場は、自粛していただきたい」(窪田会長)―と話し、理解を求めた。
ショチョガマ造りには、集落民だけでなく多数のボランティアが参加してきた。昨年は奄美警察署、奄美海上保安部、県大島支庁、町役場の職員、自衛隊隊員ら100人を超える人々が応援に駆け付けた。窪田会長は「ここ3年、100人以上のボランティアが応援に駆け付けてくれ、ありがたく感謝している」と話した。
町役場に開催の有無に関する問い合わせがあったことから、早めにどうするか判断したという。