与論で新たに11人感染

20代~90代男女、役場職員2人も 院内感染の可能性
新型コロナ

 県は23日、与論町で新型コロナウイルスの感染者が新たに11人確認されたと発表した。20代から90代の男女で、22日に感染が確認された20代女性の知人ら。与論町によると、うち2人は役場職員。同町の感染者は計12人となった。最初に感染が確認された女性は同町の与論徳洲会病院に勤務する看護師で、同病院の入院患者2人の感染も明らかになった。県は院内感染が起きている可能性もあるとして23日、同町に感染症専門家を派遣、病院の入院患者や関係者などへの聞き取り調査や感染症対策の指導などを行う。

 県の発表によると、同町で新たに感染が確認されたのは、20代男性1人、30代男性3人、30代女性1人、40代男性1人、40代女性1人、60代男性1人、70代男性1人、70代女性1人、90代男性1人。このうち4人は、21日に女性看護師と会食をしていたほか、1人は職場の同僚だという。ただ、感染が確認された人の中には、女性看護師との接点が明らかでない人もおり、県は感染者らの行動履歴を含め、感染経路を調べている。

 感染者のうち、30~70代の男女6人と先に感染が確認され島内の医療機関に入院していた女性看護師の計7人について、県本土の 医療機関に搬送した。このほか、40代女性1人が島内の医療機関に入院。20~30代の男女3人が自宅待機している。感染者らは発熱や咳、のどの痛みなどを訴えているが、症状のない人も3人いた。県は、自宅待機中の感染者らについても今後、島外の医療機関への搬送を検討している。

 県の調査で同町では少なくとも19人の濃厚接触者がいることが分かっている。また、これまでに約80件のPCR検査を実施。24日以降に、結果が判明する見込みで、同町は「感染者の増加が懸念される」とし、町民らに不要不急の外出の自粛を要請した。

 同町は、町民らに3密(密閉、密集、密接)のある場所を避け、手洗いや人との距離の確保など基本的な感染対策の徹底を求めている。また、息苦しさや強いだるさ、高熱などの症状がある人、重症化しやすい人で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状がある人は、徳之島保健所(電話0997―82―0149)に相談するよう呼び掛けている。

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 日本郵便は23日、与論町の名瀬郵便局与論集配センターの集配担当者1人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。

 これを受け、同センターに併設されている与論町郵便局では、同日から当分の間、窓口業務や郵便物の引き受け業務を休止する。このため、同町で引き受け、配達する郵便物の届けに遅れが生じる。ATMについては、24日から再開する。

 日本郵便は「ご心配とご迷惑をおかけいたしますが、所管保健所と連携の上、必要な措置を適切に講じてまいります」などとコメントしている。

 

 

飲食店の入店自粛呼び掛け

 

新型コロナの感染者増加を受け対策会議が開かれた与論町役場=23日、同町=

 

新型コロナ 与論町、感染者増で対策会議

 

 【沖永良部】新型コロナウィルスの感染者が確認された与論町は23日、同町役場会議室で感染症対策本部会議を開いた。院内感染の発生を考え、今後の対応を話し合った。山元宗町長は「町民の暮らしと命を守るためにも、これ以上、感染者を増やさないようにしたい」と述べた。

 会議には、山町長や役場各課長、保健センター職員、県担当者など27人が参加した。 

協議では、医療従事者の休憩所として公共施設を提供することを決定。また、同町と商工会、ヨロン島観光協会の3者は、感染者の感染経路が明確になるまで、島民に向けて飲食店への入店自粛を呼びかけるとした。町によると、自主的に休業を決めた店舗もあるという。

 総務企画課の沖島範幸課長は「徐々に観光客が増えてきていたが、今後の状況次第で、来島自粛をお願いする可能性もある」とした。

 山町長は「多くの感染者が出たことに戸惑っている。出来る限り情報を公開して、精一杯の対応を心掛けたい」と語った。

 感染者が初めて確認された22日夜の会合では、当分の間、図書館や砂美地来館などの社会教育施設や町内全こども園の休業を決定したほか、町主催のイベントも中止し、町民に対しては島外でのスポーツ大会やイベントなどへの参加の自粛要請を行うことを決めた。