「武蔵野フォーラム」

熱心な参加者を前に、マスク姿で講演する芝田浩二さん

「奄美空港のハブ化こそ群島発展に不可欠」
瀬戸内町出身の芝田さん(ANAホールディングス常務)講演

 【東京】「第33回武蔵野フォーラム」(叶芳和会長)が、18日、小金井市の市民会館萌え木ホールにANAホールディングス常務の芝田浩二さん(瀬戸内町出身)を招いて講演を開催した。芝田さんは、格安航行会社(LCC)バニラ・エアを奄美大島に就航させた経緯や航空業界の現状などを説明。奄美空港のハブ化こそが群島の発展に欠かせないと語った。

 「奄美にバニラを飛ばした男」との演題で登壇した芝田さんは、これまで使用したパスポートが11冊、950回出国し、75カ国ぐらい訪問している。全日本空輸(ANA)に入社したエピソードなどの自己紹介から語り始めた。2012年にアジア戦略担当になった芝田さんは、13年に新しいバニラ社を立ち上げ、14年に責任者として奄美―成田線を提案。就航に大きな力を注いでいる。その間同社の会長、社長を「20から30回奄美へ連れていって、よく知ってもらった」という。

 また、「2013年から全国平均10%増なのに対し、奄美は60%も空路利用者が増えている」と就航による効果を力説した。なぜLCCは安いのかも解説し、参加者は熱心に聞き入っていた。その上で「今後は、『奄美ハブ』で群島をさらに身近に、より安く」と強調。奄美空港のハブ化へ期待する言葉で、締めくくった。

 講演会には、バニラ・エア初代社長で奄美観光大使の石井知祥さんも出席。「芝田さんの尽力で奄美モデルが出来上がったが、すぐやめるんじゃないのかと地元から言われました」との裏話も明かした。講演後は、活発な質疑応答がなされ「安心してLCCを利用したいです」などの声が聞かれた。

 「武蔵野フォーラム」は、社会のいろいろな分野で活躍してきた、奄美ゆかりの人たちの貴重な体験や仕事ぶりを聴くことで、自己啓発と親睦を深めることを目的に結成。年会開催されている。今回は、入口で体温のチェックをし、アルコールで手指を消毒。広い会場に場所を移し、マスクを着用して約50人が集ったが、親睦会は見送られている。