与論全体クラスターと判断

感染5人増え計51人 奄美大島の入院11人に
新型コロナ

 県は31日、与論町で新型コロナウイルスの感染者が新たに5人確認されたと発表した。40代~60代の男女で、同町の感染者は計51人となった。5人全員が、沖縄県の陸上自衛隊のヘリで奄美大島の医療機関に搬送された。県は、与論島の一連の感染拡大について、「与論島全体を一つのクラスター(感染者集団)とする」見解を示した。また、県本土の医療機関に入院していた感染者1人の退院を明らかにした。PCR検査を受けた人は前日から約50人増え、約650人となった。

 新たに感染が確認された5人は、いずれも同町で確認されている感染者の親族や知人、職場関係者。50代男性1人がのどの違和感を訴えているが、ほかの4人に発熱などの症状はない。

 クラスターの判断について県は、同町で感染経路などの調査を行っている厚生労働省のクラスター対策班が30日、「島内の一連の感染全体をクラスターととらえた方が良い」との考えを示したことを明らかにしたうえで、「県としても与論島での感染を一つのクラスターと判断した」と説明した。

 同町では、これまでに5人以上に感染が広がった可能性が高い7月15日と18日の飲食店での会食と与論徳洲会病院での院内感染の3件について、「クラスターの可能性が非常に強い」としてきたが、その他の感染についても、知人や職場関係者、親族など関連性のある人への感染となっていることから、これまでに感染が確認された51人全員をクラスターによる感染と判断した。

 31日、5人の感染者が搬送されたことで奄美大島の医療機関に入院している感染者は11人となった。県は、同島での医療体制を確保するため、同日、奄美市のホテルを宿泊療養施設して運用開始。同島の医療機関に入院している11人については、今後症状などを判断し、宿泊施設などへの振り分けを行う。

 県本土の医療機関の入院患者は、1人が退院したため前日(30日)より1人減って27人となった。宿泊施設(県本土)の入所者は10人、与論島で2人が自宅待機している。

 県全体の感染者数は31日、鹿児島市でクラスターが発生したこともあり、16人(与論島以外は鹿児島市11人)増えて計252人となった。重症者は3人。30日現在、医療機関に54人が入院、宿泊施設に14人が入所している。自宅待機は3人となっている。