奄美大島・喜界島マンゴー品評会

今期は18点の出品があった奄美大島・喜界島マンゴー品評会

受賞者をたたえた表彰式

金賞、㈱カイセイ2連覇
平均糖度15・2度 開花ばらつきも技術向上示す

 第6回奄美大島・喜界島マンゴー品評会(県園芸振興協議会大島支部主催)が4日、県農業開発総合センター大島支場会議室であった、両島の6市町村から18点の出品があり、奄美市笠利町の㈱カイセイが最高の金賞を受賞、前年に続き2連覇を果たした。今期は開花のばらつきがみられたものの、平均糖度15・2度と15度以上を確保、生産者の技術向上を示した。

 同品評会は両島のマンゴーの生産振興・銘柄確立と、生産者の技術向上を図るため2015年度から開催。今回の地区別出品数は、奄美市6(名瀬2、笠利4)、龍郷町4、大和村2、宇検村1、瀬戸内町2、喜界町3の計18点で、前年を2点下回ったが、例年20点前後で推移しているという。

 審査は農業開発総合センター大島支場の德永太藏支場長を委員長に、同センターや大島支庁農政普及課、JAあまみ大島事業本部の果樹担当者らで実施。出品されたマンゴー(アーウィン種)は化粧箱(2玉入り)規格。収穫後5日以内の果実で、▽果皮の着色▽果皮の障害▽玉そろい▽糖度―の各項目を審査した。

 出品されたマンゴーの平均糖度は15・2度で、前年(15・5度)をやや下回ったが、15度以上に。最高は金賞を受賞したカイセイの18・5度。審査委員長を務めた德永支場長は今期産マンゴーの生育状況を説明。「夏から秋にかけては台風の影響もなく順調に生育したが、冬場は気温が若干高めで温暖傾向にあり、開花のばらつき、花の量も若干少なかった。それでも平均糖度は15度以上と高く、生産者の技術向上が図られている」と述べ、2連覇を果たしたカイセイのマンゴーについては「外観・品質とも素晴らしい」と評価した。

 今回も金賞に輝いたカイセイは同市笠利町の鉄骨ハウスでマンゴー栽培。表彰式に出席した社員の伊東俊也さんは「今年は梅雨の時期が長く散水のタイミングが難しかったが、適切な管理により甘くて美味しいマンゴーが生産できた。コロナ禍にある島内外の人々に食べてもらうことで、元気を届けたい」と語った。

 県園振協大島支部によると、両島の20年産マンゴーの生産農家は151戸、面積19・5㌶、生産量58㌧を見込んでいる。生産量は前年比30%近く減少する見込み。県大島支庁の福留哲朗農林水産部長は「品質・単収向上により販売額を伸ばし、奄美産マンゴーのブランド化を目指してほしい」と呼び掛けた。

 なお、出品されたマンゴーは例年、島内夏祭りの賞品として提供されているが、今年は夏祭りが中止となったため、地元報道機関に数量限定で提供、読者などのプレゼント企画賞品として活用された。

 金賞以外の受賞者は次の通り(敬称略)。

 銀賞=高木智之(喜界町)▽銅賞=皛納農園・皛納勇蔵(龍郷町)、㈲奄美興島園・濱田弘興(笠利町)▽審査員特別賞=榮貴之(同)