夜間合同パトで盗掘・盗採防止

瀬戸内町の山間を巡視する関係機関職員ら(提供写真)

瀬戸内町林道で開始 警察参加、監視強化

 お盆の期間を前に、環境省奄美群島国立公園管理事務所と奄美大島5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会は11日夜、瀬戸内町の林道で夜間の合同パトロールを始めた。希少野生動植物の盗掘・盗採の防止が目的。夜間のパトロールは、毎年観光や帰省客が増える夏休み・お盆期間の7・8月から10月まで実施。この日は瀬戸内警察署と県希少野生動植物保護推進員も参加し、監視の強化・関係機関の連携を図った。

 昨年は奄美の希少種を含んだ生物を約70匹、夜間に宇検村の山間で捕獲し、島外への持ち出しを図った疑いで2人が逮捕されている。その他の盗掘・盗採も増加傾向にあった。

 世界自然遺産登録を目指す奄美では、希少野生動植物の密猟対策が重要課題となっている。平日の日中や夜間は環境省と同協議会が担当。2018年からは監視強化のため、あまみ大島森林組合が土日に巡視を始めた。

 環境省・後藤雅文離島希少種保全専門官は「世界遺産登録を目指す土地で、今年に入っても盗掘や盗採の実態がある。今後もさらなる監視体制の徹底と、関係機関の連携をして違法行為を未然に防いでいきたい」と話し、奄美の生態系を守る姿勢を示した。