山間部の住宅密集地で火災が起こり、4棟が全焼した(23日午後0時50分ごろ、奄美市名瀬永田町)
23日正午過ぎ、奄美市名瀬永田町で自営業・勝島恒親=つねしん=さん(69)の木造平屋建て住宅から出火する火災があった。約2時間後に消し止められたが、この火災で住家、空き家の計4棟が全焼。焼失面積は合わせて約270平方㍍、3世帯3人がり災した。けが人はなかった。
現場は名瀬市街地南にある「おがみ山」に離接する傾斜地の住宅密集地。近くに県大島支庁庁舎がある。火は黒煙を上げながら周辺の木造住宅に燃え移り、焼け出された人たちなどで一時騒然となった。
奄美署によると、同日午後0時半ごろ火災に気付いた近隣住民から119番通報があり、消防車両12台が駆けつけ、消火にあたった。全焼した住家の住民は出火時、逃げ出していたり、外出中だったりして全員無事という。
り災した女性の一人は「テレビを見ていたら大きな音がして、窓を開けたら火と煙が出ていた。あわてて着の身着のままで飛び出した」と声を震わせながら当時の様子を話した。
町内会で地区班長を務める稲村久乃さんは「火の手が上がると被害が広がりやすい地域。日ごろから火の用心を呼び掛け、これまで大きな火災はなかったのに…」と声を落とし、住民らと火災予防の取り組みについて早急に話し合うとした。
名瀬測候所によると、同市名瀬では午後0~2時にかけて、風速2・6~3・9㍍の南よりの風が吹いていた。警察と消防は今後、現場検証して火災の原因を調べる方針だ。
り災世帯は次の通り(奄美署発表、敬称略)。
【全焼】▽勝島恒親=1人・木造平屋▽中島ケイ=1人・同▽松元好子=1人・木造2階建て▽空き家 木造平屋1棟