徳之島観光連盟臨時総会

組織の出直しさえ求める指摘が続出した徳之島観光連盟の臨時総会=23日夜、伊仙町中央公民館

組織の出直し要望も
運営に指摘続出 第三者委設置、精査へ

 【徳之島】一般社団法人徳之島観光連盟(重田勝也会長、会員173人)の2020年度臨時総会が23日、伊仙町中央公民館であった。19年度の未収会費や私的な立替え払い問題などの報告に端を発し、各町当局を中心にした第三者委員会設置による精査や、組織体制そのもの練り直しを求めるなど厳しい指摘・要望が噴出した。第三者委や連盟組織専門部会の設置、出身関係者による同島観光支援組織「やまとぅ支部」発足(会員動議案)などは賛成多数で承認した。

 同島観光連盟の20年度総会は新型コロナウイルス対策のため「書面決議」の形で5月に開催済みという。23日招集の臨時総会には会員31人(ほか委任状提出74人)が出席した。

 重田会長は、会費未収や立替え問題に関し、事務局長=今年5月末退職=が個人の資金170万円で従業員(事務員)に給料を支払い、その他必要経費も立替えて支払ったこと。そして、会費の集金を怠ったために「年度末の資金不足という事態を招いてしまった」などと〝議案〟の形で報告。質疑にも、再発防止による健全化に意欲を示した。

 会員らは質疑で、他事案への疑問符も含ませつつ「当事者(現役員体制)で〝次の世代へ〟は非常に難しいと思う。共通認識を図るため、第三者委員会を立ち上げて客観的に精査し、来年4月以降へ新しい体制を整えるべき」。また、本土在住会員からは「島の人たちの熱い思いを初めて知った。この会(連盟)を練り直して解散し、若者を中心にした新組織にすべき」とも求めた。

 法人組織運営費の主財源を徳之島3町の補助金に頼り、独立独歩には程遠い実情にある同観光連盟。質疑では、日ごろの運営面に関しても「組織体制が非常に軟弱で完成されてないことが第一点にある。(補助金支出の)行政側は傍観者にならず、組織に入り込むべきだ。足元を固めてから事業を進め、その中身も〝見える化〟して欲しい」とガラス張り運営を要求。

 観光連盟の公式サイトに関しても「ホームページは観光地探しの入り口。Wi-Fi環境や駐車場があるのに『なし』と表示したり、写真データが無かったり、観光(ルート)モデルケースも手を抜いている」など指摘も相次いだ。

 議事では、活動体制強化への①専門部会(企画プロモーション、宿泊ホテル・民宿、飲食店、物産、体験・文化の5部門)設立②第三者委員会同③ホームページの完成④「やまとぅ支部」の設立⑤同支部理事の選出―などを賛成多数で承認および確認。20年度事業計画案は、新型コロナの影響もあるが、具体的活動計画は皆無で〝コンセプト〟のみ。「臨時総会」の名のもと、曖昧な議事運営を散見させつつ所要時間は約2時間半にも及んだ。