若者の人材確保につなげるパンフレット製作など課題解決について話し合った(県大島支庁内)
県大島支庁は25日、奄美市名瀬の同庁会議室で2020年度「大島地域人財確保・育成推進協議会」を開いた。若年労働人口の確保など地元就業の課題について行政や民間の委員が意見交換。今年度は学卒者の地元定着に向けた就業PRパンフレットを製作し、奄美群島の高校生と専門学校生全員に配布する事業計画を了承した。
同協議会は、県の「かごしま故郷人財確保・育成プロジェクト」の一環で昨年度に発足。農・水や建設、観光ほか各業界団体、行政や学校機関の委員で構成。地域の雇用環境や人材確保などの課題解消について、年1回程度話し合う。
事務局の同庁総務企画課は、若者の求職者に地元企業の魅力を知ってもらう目的でのパンフレット作成事業を説明。就職実績のある地元企業への取材、自治体の助成金制度情報などを盛り込む。群島内の高校生と専門学校生(計約2700人)と行政機関に配布を見込み、4千部(予算120万円)を作製する。
同課によると、今後は取材先の選定、製作に着手。委員の了承を受け、「来年度の生徒と学生を対象に地元志向を高める内容にまとめたい」としている。
奄美の高校3年生の進路は島外進学・就職が大半を占めており、地域企業の人手不足が常態化。会では地元就職の機運をどのように高めていくか意見を交わした。
委員からは「地元に戻りたいという気持ちになる環境が重要」(学校)、「未来が感じられる企業を地元に増やしてほしい」(同)―などが出、今回のコロナ禍による影響を踏まえながら、子どもたちが地域の魅力を知る体験プログラムを推進する提言もあった。
田中完支庁長は「大島地域の現状を関係機関が共有し、改善に向けた取り組みにつなげたい」と話した。