各地で旧盆送り

先祖の霊を見送り、多くの人が墓参りをした(1日午後3時、奄美市永田墓地)

奄美市永田墓地 墓に手合わせ感謝

 旧暦の7月15日にあたる2日は旧盆の送りの日。台風9号の強風域を抜けた奄美群島内各地では、提灯や花を携え、墓参りする人の姿が多く見られた。

 市営、民営合わせて約5000の墓がある奄美市名瀬の永田墓地では、家族連れが次々に訪れ、線香などを供えて先祖の霊を見送った。

 曇り空で比較的過ごしやすい気候だったこの日は、午後3時ごろには多くの人が墓参していた。同市名瀬の山田稔乃さん(72)は両親と兄、妹2人の墓に提灯を灯し、線香などを供えた。旧盆は先祖をもてなすため、親戚と料理をたくさん用意したという。「両親には今も感謝の気持ちでいっぱい。今年も無事にお盆を過ごせてよかった」と話し、墓に手を合わせた。その後は夫・武和さん(70)の先祖の墓がある龍郷町秋名へ向かった。

 名瀬小学校1年生の染川弥=わたる=くんは、今年5月に亡くなった祖父の繁さんに向け「おじいちゃんまたね」と声を掛けた。弥くんの母、モニカさん(32)は「明るくてみんなに愛された人だったと、初盆を迎え実感した。安らかに過ごしてほしい」と話していた。