「マコモ」田んぼ開拓へ

草刈り作業にあたるメンバー

田んぼ復活に向け意欲を燃やした

龍郷町秋名の幼なじみメンバー
来年4月の植え付け目指す

龍郷町秋名集落に放置された田んぼを復活させようと、このほど住民らが開拓を始めた。3日は2回目の作業で、大人の身長を追い越すほどの草が茂った田んぼの草刈りを行った。メンバーは、同集落で生まれ育った幼なじみ・同窓生を中心とした有志9人。この日は町内赤尾木在住の夫婦も応援に駆け付けた。

田んぼの広さは約15㌃。以前は米の栽培に使われていたが、時代の変化や後継者不足から約20年間放置されていたもの。メンバーらはマコモを栽培する予定で、「来年4月の植え付けを目指す」と意気込んでいる。

同地域(秋名・幾里)は奄美有数の田園風景が広がる。国指定重要無形民俗文化財の豊作祈願祭「ショチョガマ」を受け継ぐ土地でもある。近年は稲作に比べ育てやすいマコモの栽培が人気だという。

有志メンバーのひとりで、同集落で生まれ育った森吉喜美恵さん(37)は「以前から幼なじみやその家族と一緒に何かをしたいと思っていた。地元秋名の資源である田んぼを活用できるし、行動を起こすなら早いうちにと思い開拓を始めた」と話した。

田んぼ所有者の西田重彦さん(60)は「子どもの頃は自分たちが食べるお米は各家庭で作っていた。地域の子どもたちが島を出たり、お米を購入することが主流になってからは徐々に休耕田が増えていった。田んぼがよみがえるのはうれしい。若い人たちのやる気をできる限り応援する」と言い、指導にあたっていた。

また、町農林水産課によると、現在同地域には約3830㌃の田んぼがあり、うち半数以上の約2820㌃が休耕田となっているという。