奄美市名瀬の長浜港では津波警報発令時などに稼働する防潮扉を閉鎖し、台風に備えた
非常に強い台風10号は4日午後3時現在、日本の南を時速15㌔の速さで北西に進んでいる。奄美地方の強風域入りは南部・北部ともに5日昼過ぎの見込みで、6日午前中ごろには暴風域に入ると見られるなど、直撃は避けられない情勢。名瀬測候所は、これまで経験したことのない記録的な暴風や高波、高潮などが発生する恐れがあるとして、「早めの対策・避難」を強く呼び掛けている。
台風10号は4日午後3時現在、中心の気圧は925ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50㍍で、最大瞬間風速は70㍍。北東側280㌔以内、南西側220㌔以内が風速25㍍以上の風が吹く暴風域で、北東側500㌔以内、南西側440㌔以内が強風域となっている。
台風は今後、発達しながら猛烈な勢力で、6日午後ごろには奄美地方南部・北部に最接近する見通し。名瀬測候所によると、死者5人、負傷者62人などの大きな被害を出した1961年の台風18号(第二室戸台風、918ヘクトパスカル)に匹敵する規模・勢力で、特別警報を出す可能性もあるという。
今後予想される最大風速(最大瞬間風速)は、5日23㍍(35㍍)、6日50~60㍍(70~85㍍)。5~7日にかけては非常に強い風や猛烈な風が長時間に渡って続く見通し。
海上は6~7日にかけてうねりを伴った猛烈なしけとなり、予想される波の高さは9㍍超。最接近する6日は15㍍に達する可能性もあるという。
この他、満潮時には潮位の高い時期にあたることから、高潮へは厳重に警戒。5日正午~6日正午の24時間に予想される降水量は多い所で200~300㍉、6日正午~7日正午は400~600㍉で、土砂災害、低い土地への浸水や河川の増水・氾濫にも警戒が必要だ。
名瀬測候所は、最接近する6日は急激に天気が悪化する恐れがあるとして5日中に避難するよう強調。7日までは外出しないよう呼び掛けている。
4日午後6時現在、大島支庁、和泊町、知名町、与論町で警戒本部を設置。和泊町、知名町では避難準備情報が発表されている。