奄美群島12市町村で避難勧告発令

避難所となったAiAiひろばに詰めかけた避難者(5日午前10時)

避難所約280か所開設 約4200人が避難
台風10号接近 最大級の警戒呼びかけ

 大型で非常に強い台風10号は5日午後、沖縄の南の海上を北上、奄美地方に接近している。奄美群島では、同日午後5時までに12市町村すべてに避難勧告が出された。各自治体は災害対策本部および警戒本部を設置、群島全体で約280カ所の避難所を開設するなど対応に追われた。台風は、勢力を維持したまま、6日午後にかけて奄美地方に最接近する見込みで、各自治体は、住民らに早めの避難など最大級の警戒を行うよう呼び掛けている。

 奄美新聞の調べによると、同日午後6時現在、12市町村で約4200人が避難しており、各自治体ではさらに避難者が増えることが見込まれている。避難者が最も多い奄美市では、同日午後4時までに、約824人(名瀬537人、住用62人、笠利225人)が避難している。

 同市は午前10時に市内71カ所に避難所を開設。その後も避難者の多い地区などで新たに4カ所の避難所を追加設置するなど対応に追われた。同市では同日午後4までに824人が避難している。

 同市名瀬末広町のAiAiひろばには、午前10時前から10人ほどが避難のために列をつくった。家族4人で訪れた同市永田町の男性(50代)は「風速80㍍と聞いて心配になった。早めの避難を呼び掛けていたので、食料や着替えなど最低限のものを持って出てきた。被害が出ないことを祈るしかない」と話した。

 午後1時半ごろ、同市名瀬永田町の名瀬小学校体育館に避難した女性(64)は「台風接近前から、こんなに早く非難したのは初めて。家が古く飛ばされないか心配だが、命を守ることを考え行動した。何事もなく過ぎ去ってほしい」と祈るように話した。

 喜界町では、避難所12カ所を開設、午後6時現在、奄美市に次ぐ741人の町民が避難。台風の接近に備えている。