市議会一般質問

6月に赤土流出を確認
戸玉集落の採石問題 県大島支庁と市が口頭指導

 奄美市議会9月定例会は8日、一般質問が始まり、﨑田信正(共産)、川口幸義(自民)、奥晃郎(無所属)、栄ヤスエ(公明)の4議員が登壇した。同市住用町戸玉集落住民らが集落近くで操業する採石業者の工事に反対している問題で、6月に採石場から河川に赤土の流出が確認されていたことが分かった。市と県大島支庁が流出防止対策を徹底するよう事業者に口頭で指導した。

 採石場を巡る問題については﨑田議員が質問。6月28日に地元住民が撮影した写真を公開、採石場から流れ出た赤水が近くの河川を伝って海上に流れ込み、集落前の海が赤く濁った様子を明らかにした。

 市はこれまで、集落住民と業者の間で1996年に締結した公害防止協定に基づく、話し合いによる解決を図っているものの実現には至っていない。朝山毅市長は「互いの意見を聞きながら、話し合いの機会を持てるよう市として努力したい」と、引き続き両者の協議による解決を目指す考えで、同集落から市長に提出された請願書については「回答に時間を要していることは申し訳ない」と述べた。

 また、赤土流出が環境に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、市は「定期的にパトロールを行い、県大島支庁と情報共有を図っていく」などとしている。

 新型コロナウイルス感染症については、﨑田、川口両議員が質問。4月以降、生活困窮者による生活保護などに関する相談が計138件あり、うち、新型コロナの影響による収入減に伴う保護申請が1件あったことがわかった。また、新型コロナ感染者が確認された場合に備え、防護服やフェイスシールドについては、対応できるよう備蓄ができていることが報告された。

 奥晃郎議員は陸上自衛隊奄美駐屯地の開設に伴う市税収の状況について質問。朝山市長は「隊員の2020年度の市県民税徴収額が1億1700万円で、徴収人数は346人。うち、市民税は約7000万円を見込んでいる」ことを報告した。

 栄議員はマイナンバーの普及状況など行政のデジタル化について質問。市当局はマイナンバーカードの交付について「4月以降300件以上の申請があった」とし、8月15日現在、1万1102人に発行、交付率は25・66%で、国(18・81%)、県(17・71%)を上回っていることを報告した。