黒糖焼酎出荷量は微減

県全体前年度比6%減 6年連続で宮崎に次ぐ2位
奄美業界「今後のコロナ影響注視」
19酒造年度需給状況

 県酒造組合(濵田雄一郎会長)は8日、2019酒造年度(2019年7月~20年6月)の県内産本格焼酎の需給状況などを発表した。課税移出数量(アルコール25度換算)は県全体で前年度比6%減だった。原料別課税移出数量(実数ベース出荷量)でみると、黒糖焼酎は前年度比1%減の7122㌔㍑で、アルコール度数別では25度のみ微増だった。奄美の業界では、今後の新型コロナウイルスの影響がどうなっていくか注視している。

 県内産本格焼酎の出荷量(アルコール25度換算)は、焼酎ブームに後押しされて1999年度から増加傾向にあったが、酒税法改正による価格値上げの影響もあり、06年度の15万5938㌔㍑をピークに年々減少。県全体(県内114社)の19年度出荷量は、前年度比6%減の9万5088㌔㍑だった。

 県全体出荷量は7年連続で減少し、6年連続で宮崎県に次ぐ2位となっている。出荷量の減少要因について同組合は①新型コロナウイルス感染症の影響で、業務用酒が大きく減少。特に首都圏をはじめ、大消費地での落ち込みが大きい。巣ごもり需要(新型コロナの影響による外出自粛で家飲み需要)で、パック詰め品は増加し、瓶詰め品は減少②過去10年間の課税移出数量は、全国的に長期低落傾向で、低調の理由は、消費者の酒類し好が変化。特に低アルコールのRTD(ふたを開けてそのまま飲めるアルコール飲料)の台頭と、ウイスキー消費量が増加―を挙げている。

 県全体の製成数量(=生産量、25度換算)は、11万7023㌔㍑で、前年度を12・2%下回った。黒糖焼酎は6118㌔㍑で、前年度比2・1%増。「黒糖焼酎及び米焼酎は、在庫調整のため製造数量が増加」としている。

 黒糖以外の原料別課税移出数量は、米以外は減少。全体の7割以上を占める芋が6万7012㌔㍑(前年度比8・1%減)、麦1万9836㌔㍑(同0・1%減)、米984㌔㍑(同4・2%増)、その他134㌔㍑(同2・9%減)。

 黒糖焼酎を度数別に比較すると、20度153㌔㍑(前年度比23㌔㍑減)、25度6242㌔㍑(同4㌔㍑増)、35度727㌔㍑(同55㌔㍑減)。

 黒糖焼酎の出荷量について、県酒造組合奄美支部の乾眞一郎支部長は「4~6月にコロナの影響があったものの、芋など他原料と比較して黒糖焼酎の影響は少なかったのではないか。しかし、今後のコロナの影響は注視していきたい。外飲みが増えることを期待している」「業界全体が好調というわけではなく、メーカーによって偏りがある」「北関東、東北、北海道での黒糖焼酎の需要開拓に向け、少しずつ攻めていきたい」などと話した。