市議会一般質問

「再発防止策審議終了後に判断」
第三者調査委内田元委員長の面談要請、教育長応じず

 奄美市議会は9日、一般質問を続開、関誠之(社民)、正野卓矢(チャレンジ奄美)、安田壮平(同)、荒田幸司(共産)の4議員が登壇した。同市の中学1年男子生徒=当時(13)=が2015年11月に自殺した問題で、同事案に関する報告書をまとめた「第三者調査委員会」の委員長を務めた元鹿児島大教授・内沢達氏が要田憲雄教育長との面談を希望していることについて、要田教育長は「再発防止対策検討委員会にて再発防止策が策定され、審議が終了した後に、熟慮の上、どうするか判断したい」との考えを示し、現時点で面談に応じる考えがないことを明らかにした。

 同問題については、関、安田両議員が質問した。関議員は、奄美新聞8月20日付に掲載された内沢氏の寄稿文「拝啓 奄美市教育長様」の内容を取り上げた上で、「再発防止のためにも対話が必要ではないか」などと指摘、内沢氏の求めに応じるよう要請、面談を拒む理由などの説明を求めた。

 要田教育長は、再発防止対策検討委での審議中であることを理由に内沢氏との面談を拒否する姿勢を改めて示した一方、安田議員が「遺族、第三者調査委、市教委の三者が互いに納得できる議論となるよう」求めたのに対しては、「遺族と第三者調査委の皆さまに寄り添いながら、ご理解頂けるよう丁寧に説明していきたい」と答弁した。

 寄稿文は、内沢氏が教育長との面談を希望しているものの実現に至っていない現状などが記されており、「一方通行ではない対話が欠かせません」などと、改めて教育長との面談を要望している。また、▽市教委による主体的検証とウェブサイトでの公表がなされていない▽臨時校長研修会での教育長の「いじめた側の子が責任を感じて自殺した」との間違った説明―などに対する市教委の説明も求めている。

 正野議員は名瀬運動公園(三儀山)の50㍍プールの現状について質問。市教委は、「昨年6月にろ過装置の配管から漏水があり、利用できない状況にある」などと説明、老朽化により危険度が高く、今後も利用再開のめどが立っていないことを報告した。

 荒田議員は8月22日に自衛隊ヘリコプターの市内での低空飛行が目撃されたことについて質問。市当局は「自衛隊ヘリの体験搭乗だった」ことを報告。約40人の市民らが参加したことを明らかにした。