新型コロナの影響で利用者が大幅に減った奄美文化センター
文化センターの利用法や教育文化活動の推進策などについて話し合った奄美振興会館運営協議会
2020年度奄美市奄美振興会館(奄美文化センター)運営委員会が14日、奄美市名瀬の奄美文化センターであり、19年度の利用状況や事業報告、20年度事業計画を承認した。19年度の利用・入場者数は17万173人で、前年度から約5万人減少。新型コロナウイルスの感染者が全国的に増加した今年2月以降、イベントの中止などで利用者が大幅に減ったことから、過去5年間で最も少ない利用者数となった。4月以降もイベントの中止や臨時休館などが相次いでおり、20年度はさらに利用者が減少する見込みだ。
同センター指定管理者の市開発公社によると、2月の利用者数は1万2181人で、前年同月(2万8498人)比42・7%と大幅に減少、さらに3月の利用者は1052人のみで、前年同月(2万3479人)比4・5%にとどまった。1月までは月ごとの増減はあるものの、前年並みで推移していた。
ホールの利用は、音楽、民謡、舞踊、ピアノ発表会など235回で、入場者数は1万4671人で前年度(4万5599人)より3万928人少なかった。
同年度の生涯学習課関連事業では、名瀬・住用地区生涯学習講座開講式、奄美十五夜唄あしび、まなびフェスタなどを実施した一方、3月に予定していた劇団四季によるミュージカル「裸の王様」(小学5、6年生対象に無料招待予定)や名瀬・住用地区生涯学習講座合同閉講式及び発表会が新型コロナの影響で中止となった。
20年度事業計画では、すでに名瀬・住用地区生涯学習講座開講式、奄美十五夜唄あしび、市民文化祭などが中止されており、来年3月に予定されていた劇団四季ミュージカルの中止も決定している。生涯学習講座の受講生も新型コロナ対策として受け入れる受講生の人数を制限するなどしたため、前年度(110人)より少ない43人となった。
19年度は奄振交付金約4億3千万円を活用、外壁改修やトイレの様式化、空調設備の改修工事などが実施された。20年度は経年劣化による舞台照明設備の交換修繕などを実施済み。委員会では委員から舞台照明などホール施設の更新、改修などの要望があり、市開発公社と市教委生涯学習課は「今後、順次整備を進めていく」などと述べた。
このほか、委員からは文化センターの利用促進に向けた取り組みとして、利用者の年代や性別に関するアンケート調査の実施や、利用が少ない男性を対象にしたイベントなどの企画を求める意見があった。