9月定例県議会は17日から代表質問に入った。同日は自民党の西髙悟議員=志布志市・曽於郡区=、大久保博文議員=鹿屋市・垂水市区=が登壇。大規模災害への対応力強化で、新型コロナウイルス感染症拡大の状況等を踏まえた避難所対策では、台風10号の避難所の設置運営状況について市町村への調査に取り組んでいることが報告された。その結果を今後の対策に役立てていく。
地頭所恵・くらし保健福祉部長が答弁。県では避難所でのコロナ対策指針(避難所定員数や混み具合の住民への周知方法、定員を超えた避難所への対応等)をまとめ市町村に提示するとともに、活用可能な県有施設やホテル・旅館に関する情報提供を実施。地頭所部長は「台風10号において定員数に達した避難所が生じ、他の避難所を案内するなどの事例が発生した」とし、県としては今後の災害に備えるため「台風10号の避難所の設置運営状況について市町村に対し調査中であり、その結果を踏まえて県民の安心安全の確保のため引き続き市町村や防災関係機関と緊密な連携を図りながら防災対策に取り組む」と述べた。
奄美・離島振興について塩田康一知事は「幼少期に徳之島で生活した経験から他では味わえない離島暮らしの魅力を体感した。一方で外海離島が多く台風常襲地帯など厳しい自然条件のもと医療、物価、物流など多くの面で依然として本土との格差が大きく人口減少や高齢化といった課題もあると認識している」と答弁。こうした状況から▽離島の多様で多くの物的・経済的資源を活用するため社会資本の整備、産業振興▽航路・航空路の運賃軽減や輸送コスト支援▽ICT技術を活用した遠隔教育や医療の充実▽蓄電池を活用した地産地消型再生可能エネルギーの普及支援▽LCC路線の開設▽奄美の世界自然遺産登録実現、希少な動植物の保全―など「条件不利性の改善に取り組むとともに定住促進や観光振興を図っていく」と述べた。
行財政運営の方向性・財政健全化の取り組みなどについて塩田知事が答弁。現在の県の行財政運営戦略は2012年3月に策定され、約10年が経過している。知事は「この間、本県を取り巻く社会経済情勢は本格的な人口減少社会の到来、経済のグローバル化の進展、情報技術の進展など大きく変化するとともに、ポストコロナ時代の新たな日常の実現に向けた取り組みが求められる」として、こうした状況から「今後、新型コロナウイルス感染症の影響を見極めながら現在の行財政運営戦略の見直しを行っていく」との考えを示した。
鹿児島国体・全国障害者スポーツ大会も取り上げられた。佐賀県、滋賀県への協力要請、両県知事の延期受け入れ表明により、両大会は2023年開催に向けて調整が進展しているが、同年開催が決定した場合の会期・会場について松本俊一国体・全国障害者スポーツ大会局長は「今年の日程をそのままスライドすることとし、会場についても現在の会場を使用することを基本に今後具体的な会期等について市町村、競技関係団体と協議した上で日本スポーツ協会等と調整したい」と答弁。開催規模については「国の新たなコロナ対策の状況、東京五輪・パラリンピックの感染症対策や簡素・効率化の視点を考慮するとともに、三重、栃木国体の開催方法などを勘案しながら検討を進めたい」と述べた。