19年度事業状況などが報告された奄美市国保運営協議会
奄美市国民健康保険運営協議会(伊東隆吉会長、12人)の2020年度第1回会合が24日、同市役所であり、19年度国保事業の実績などの報告があった。19年度国保事業は、単年度収支で2億6990万円の黒字を計上、累積の収支状況を示す形式収支も4995万円の黒字となった。国保事業特別会計が黒字となったのは、06年の奄美市誕生以来初めてで、旧名瀬市時代を含めると、1994年度以来、25年ぶり。14年度には約8億円にまで膨れ上がった累積赤字を解消した。
単年度収支は5年連続の黒字を計上、18年度末現在で2億1995万円あった累積赤字を解消した。一方で、累積赤字の解消のため続いている一般会計からの法定外繰入金が19年度は2億円あり、市国保年金課は段階的な引き下げを行い23年度での繰り入れ廃止を目指している。20年度は前年度比5千万円減の1億5千万円を予算計上している。
被保険者数は1万1160人(前年度比403人減)で、減少傾向が続いる。医療費総額は41億4942万円(前年度比1029万円減)となっているが、1人当たりの医療費は37万1812円(同1万2068円増)と増えている。ただ、18年度県平均と比較すると、6万5502円低くなっている。
国保税の収納率は現年分が93・20%(同0・41ポイント増)、過年度滞納分が20・31%(同5・86ポイント増)。国保事業の都道府県単位移行に伴い、県の運営方針で示された収納率目標の現年分94%にはわずかに及ばなかったが、過年度分19%は達成した。
国保事業を巡っては、長年にわたり単年度収支の赤字により累積赤字が増加、08年度に一般会計から2億5千万の法定外繰入を実施、09年度も引き続き4億5819万円を繰り入れた。その後も12~18年度まで毎年、2億5千万円を、19年度は2億円の繰り入れを続けている。
市国保年金課は、今後、県への償還金が大幅に増える可能性もあることから「国や県の動向などを慎重に見極めながら、国保事業の健全運営に努めたい」としており、法定外繰入については「国保会計の黒字運営を目指すなかで、将来的には削減も検討していく」考えを示した。