住民との協働による外来種駆除活動

セイタカアワダチソウなどの外来植物を駆除する参加者たち
駆除したゴミ袋と一緒に記念撮影

環境省と奄美市主催、住用町役勝で
参加で個人意識高まり

環境省奄美群島国立公園管理事務所と奄美市は27日、同市住用町役勝で住民参加型の外来種駆除イベントを開いた。参加者は総勢41人で昨年度より倍増。今年度は地域住民だけでなく、㈱三浦建設、㈲栄興建、JAあまみ女性部(住用支部)も参加した。まず同事務所から外来種対策などについて説明があった後、実際に駆除を行い、自然保護への思いを巡らせた。

役勝集落は、全体が奄美群島国立公園に指定されており、その多くの地域が世界自然遺産の緩衝地域(核心地域を囲むように設けられている地域)に入っている。野生動植物の保護にとって欠かせない重要な地域だ。本イベントは同事務所と同市プロジェクト推進課、同市住用総合支所市民福祉課が合同で主催した。

冒頭に同事務所国立公園管理官の早瀬穂奈実さんが「もともといない生物が広がると、もともといた生物が生きられなくなるので、それを駆除して自然を守る活動に参加してほしい。また駆除したものはしっかり袋に入れ、服などにつきやすい種を持ち帰らないことも大切」とあいさつ。その後奄美大島の外来種と駆除方法について書かれたチラシが配られ、それを参考に葉・茎・根を残さないように駆除活動を行った。

この日は主にセイタカアワダチソウ・センダングサ類(ともに環境省カテゴリー・重点対策外来種)、ムラサキカッコウアザミなどの外来植物を1時間ほど駆除した。最終的に90㍑入りごみ袋で63袋分の外来種を駆除した。

中役勝集落の川井友子区長(57)は「昨年度も参加したが、みんなでやることはとてもいい経験になった。今年も上・中・下役勝の3集落とも参加している。個人の意識は高まっていると思う」と語った。

昨年鹿児島本土から移動し、JAあまみ女性部に入部した久永菜穂子さん(55)は「昨年奄美にやってきてきれいな花(アメリカハナグルマ)を摘んでいたら、それは外来種だと教えてもらい、衝撃を受けた。それから気になっていたので、このようなイベントにはぜひ参加したいとJAあまみ女性部に提案し、今日の参加となった。世界自然遺産のことは気になっているけれど、どう協力していいかわからない。このようなイベントは参加しやすく、勉強になる」と話した。