「うそ電話詐欺」被害防止に貢献し、徳之島署長感謝状を受けた伊藤沙紀さん(中央)=29日、同署で
「うそ電話詐欺」被害防止
徳之島署
【徳之島】徳之島署(田中聡署長)は29日、架空の未納料金で現金30万円をだまし取ろうとしたうそ電話詐欺(特殊詐欺)被害を防いだドコモショップ徳之島店(徳之島町亀津)の店員、伊藤沙紀さん(38)=天城町天城=に署長感謝状を贈ってたたえた。
同署などによると、伊藤さんは、今月17日に来店した男性客(60代)が「ショートメール(SMS)が届き、電話をしたところ、現金30万円を振り込むよう指示された」との話を不審に思った。男性はすでに「携帯電話を止められたくない」と現金30万円を所持していた。
男性は、うそ電話詐欺犯の男に指示されたまま、亀津のコンビニで電子マネーを購入(支払い)する直前に、販売機器の操作が分からず近くのドコモショップ同店に相談したのがきっかけ。伊藤さんは〝だまされたふり作戦〟で「娘」を名乗って電話を代わると、犯人は実在の「NTTファイナンス株式会社」を名乗った。うそ電話詐欺と直感した伊藤さんは、犯人の連絡先と名前を聞いて電話を切り、即座に同署に通報(捜査中)した。
感謝状を手に伊藤さんは「携帯電話は、年齢層を問わず身近になものになっており、今後もお客様が安心できるよう努めたい」と話した。
県内では今年2月ごろから「NTTファイナンス」を名乗り、未納料金の支払いに関して電話連絡を促すSMSが送信される事案が多発。電話をして個人情報を教えてしまったり、電子マネーで支払ってしまうなど詐欺被害が発生しており、県警は注意を呼びかけている。