「濃厚接触」職員ら陰性

新型コロナ対策に全額公費負担の自主「TRC」検査を奨励する天城町

天城町 自主「TRC」検査全額補助へ
新型コロナ

 【徳之島】新型コロナウイルスに職員2人が感染した天城町役場では、県の指示で同僚職員ら「濃厚接触者」4人のPCR検査を実施して29日夕に発表、いずれも「陰性」と判明した。町当局(同感染症対策本部)は2職員=いずれも30代男性・島内医療機関入院中=を通じた「2次感染」の有無を重大な分岐点と重視していたが、安どさせた。感染防止対策の迅速化、住民不安の払拭のため、全額公費助成による自主「TRC」検査も奨励していく方針だ。

 同日新たにPCR検査結果が判明したのは、鹿児島市滞在(19日~21日)中に感染したとみられる2職員(Aさん=25日判明、Bさん=27日同)のうち、Bさんと同部署の4人。無症状のBさんは25日に出勤、終日勤務していた。徳之島保健所は4人を「濃厚接触者」として28日検体を採取。同時に唾液採取で〝プレ検査〟的に約1時間後に判定できる「TRC検査」も併せて実施(いずれも陰性)していた。

 最悪〝庁舎内クラスター(感染集団)〟発生も懸念された2次感染が同日現在、阻止されたことに、町対策本部の祷清次郎総務課長は「少しほっとしたが、まだ2人(職員)が入院中であり2週間の警戒が必要。感染有無の迅速な把握や感染予防対応のためにも、自主TRC検査の推奨も必要」と強調。

 島内では徳之島徳洲会病院(徳之島町)が採用し、希望者に対処してくれているTRC検査。1回当たり自己負担額は約3千円(健康保険適用)。森田弘光町長ら町当局は、町新型コロナ感染拡大防止対策基金(今年8月に条例制定)を活用し、自己負担分の全額助成を実施の方向で推進。関係者との接触などで不安を抱いている関係者らへの同検査を後押しする。

 一方、職員Bさんが親族の葬儀(22日通夜・23日告別式など)を手伝ったことに対する風評に関し、町健康増進課の碇本順一課長は「保健所は(弔問客らとの)濃厚接触には該当しないと判断した」。本人は、鹿児島市天文館の飲食店におけるクラスター(感染集団)に関する新聞記事を機中で目にし、地元ではマスク着用で手指の消毒も徹底。葬儀でも意識的に他人との接触を避け、火葬場休憩所でも1人屋外で待機するなど「密」を避けているという。

 ちなみに29日現在の町側把握分の▽PCR検査は計11人(2陽性、9人陰性)▽森田町長ら町当局者の自主TRC検査は計9人(全員陰性)という。