クロウサギ交通事故死

想定外の県道エリアでもクロウサギの交通事故死例が増加=4日の徳之島町轟木の現場(環境省提供)

徳之島地区 想定外エリアでも発生

【徳之島】環境省「アマミノクロウサギ交通事故防止キャンペーン」(9月15日~11月15日)展開中の4日夜、徳之島町轟木の県道上で、交通事故死したクロウサギの成獣1匹の死骸が見つかった。森林地域から離れ希少野生動物の出没とは無縁視されそうな〝まさかのエリア〟。だが、2018年以降計4件目。同省など関係者を残念がらせ今後、注意喚起の方法を検討するという。

環境省奄美群島国立公園徳之島管理官事務所(天城町役場内)によると、現場は、県道80号線(同町花徳―天城町天城間)の轟木地内。4日午後10時すぎ、自然保護活動家が偶然発見し通報した。

体重3㌔弱のメスとみられ、「白たび」と呼ばれ足首が白い系統の個体。左側頭部から血を流しているほかに大きな損傷はない。何らかの原因で走行中の車両に衝突したとみられる。

森林地域からは離れ一見〝想定外視〟のエリア。しかし、同エリアでのクロウサギの交通事故被害は18年10~11月に2件(うち1匹死亡)、19年12月に1件(1匹同)、今回で計4件(3匹同)目だった。出没エリアの拡大の背景については、長年のクロウサギ保護対策が奏功した生息数の回復―を指摘する声もある。

同省徳之島管理官事務所(アクティブレンジャー中澤孝さん)は「運動期間中に発生したことは非常に残念。山も近くにない畑に囲まれた県道上でも出ることを含め、注意を呼びかけたい。過去3年間の連続性もあり、啓発方法も考えることになると思う」としている。ちなみに同島内でのクロウサギの交通事故死は今年12匹目(昨年1年間は16匹)となっている。