サシバ観察楽しむ

観客の目前の林に飛来したサシバ

サシバ観察を楽しむ参加者

渡りの季節、多数飛来
宇検集落漁港で、74人来場

 「サシバ愛護会 関西~奄美ネットワーク」(与名正三代表=野鳥写真家)主催の「宇検村で見ようサシバの渡り」イベントが11日、宇検集落漁港広場で開かれた。村企画観光課が開催に協力。観察会は午前9時に始まり、午後2時まで開かれ、宇検村民ら74人が来場、遠くは奄美市から観客が訪れた。本土から南下し、多数のサシバが奄美に渡って来る季節で、この日も会場周辺に多くのサシバが姿を現し、近くの電柱に止まり、上空を飛翔、旋回する姿も見られ、参加者の目を楽しませた。

 奄美野生生物保護センター、奄美野鳥の会も協力。(公財)日本自然保護協会自然観察指導員を務める与名代表(68)が、サシバに関する説明をしながら観察した。与名さんが望遠鏡で近くの電柱や林の枝に止まったサシバを捉え、拡大されたサシバの姿も見て楽しんだ。

 与名さんによると、この日は、成鳥は少なく、若鳥や幼鳥が多かった。カラスがサシバを追いかけ、逆にサシバが自分の「縄張り」からカラスを追い払う姿も見られた。

 元山公知村長、杉浦治俊議会議長らも見学に訪れた。内田翔己くん(名柄小学校4年)=佐念=は「昨年も見に来たが、昨年よりサシバをいっぱい見れてよかった。サシバとカラスの縄張り争い、追っかけっこも面白かった。望遠鏡で大きく見れて楽しかった」と感想を話し、女性は「近くでたくさんのサシバを見れてすごいと思った」と話していた。

 奄美で越冬するサシバもいれば、フィリピンや台湾まで渡るサシバもいるという。

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 与名さんが奈良県と宇検村で撮影した写真展「サシバ 子育てと越冬」が9日から宇検村湯湾の「元気の出る館」で開催中。写真を35枚展示。時間は午前9時~午後5時。入場無料。10月末まで開催予定。