福山幸司さん準優勝

舞台で「徳之島節」を熱唱する福山幸司さん

準優勝に笑顔の福山幸司さんと、お囃子を務めた平久美さん

大島紬と「徳之島節」で観客魅了
日本民謡協会杯コン

 【東京】台東区の浅草公会堂で17日に開催された、「民謡民舞今フェス2020」(主催・公益財団法人日本民謡協会)に、奄美代表の福山幸司さん(龍郷町芦徳出身)が出場。大島紬とシマ唄で観客を魅了、見事に準優勝に輝いた。

 「~伝統の輝き・先鋭のキラメき~」との副題が付けられた同イベントは「新しい魅力を持った民謡民舞」を表現すると共に、2019年度に全国各地で行われた日本一決定大会優勝者の中から出場者が結集。グランドチャンピオンを決定する、日本民謡協会杯コンクールとして開催されたもの。各地の精鋭34人に交じって「奄美シマ唄日本一大会優勝者」として福山さんが参加した。司会者から「幼い頃、祖父母からシマ唄を子守唄代わりに、三線を小学生の頃父親から教えてもらった」と紹介された福山さんは、大島紬に三線で堂々登場。「徳之島節」を熱唱、コロナ禍で前3列が開けられ、観客同士も離れている会場に島の風を吹かせ、ひときわ大きな拍手を浴びていた。

 「一人でも多くの人に知ってもらえればと、大島紬でシマ唄を披露できて、最高の舞台でした。ぜいたくな時間を堪能しました」。そう満足げに振り返った福山さんは、大島紬の伝統工芸士で泥染め職人。この日は、お囃子を務めた平久美さんが福山さんの体に合わせ縫った、大島紬での晴れ舞台となった。福山さんの祖父と、平さんの祖母が兄妹の間柄。二人は龍郷町でシマ唄と三線の教室「島んちゅ会」を開いている。同コンクールでの準優勝は、18年以来2度目。「優勝は逃しましたが、それは次回への楽しみに取っておきます」と二人は声をそろえてほほ笑んだ。大会関係者によるとこの日の模様は、12月の中旬ごろにNHK総合での放送が予定されている。