保全管理へ4者連携

奄美大島、徳之島の世界自然遺産推薦候補地
協定締結

 【鹿児島】鹿児島県、環境省、鹿児島大、国立環境研究所の4者は、奄美大島、徳之島の世界自然遺産推薦地に関して、連携して保全管理などに取り組む協定を締結。26日は県庁で締結式=写真=があった。

 遺産登録が実現すれば、来島者が増えるなどの影響で、生態系に対する悪影響などが懸念される。このため、国と県の行政機関と専門の研究機関が連携し、両島の自然環境、文化に関する科学的・専門的見地を蓄積する。環境保全に対するモニタリングや科学的な管理基盤を整備する一方で、今後の保全管理の担い手となる人材育成にも積極的に取り組む。

 塩田康一知事は「(4者の連携協定によって)遺産登録後を見据えた保全管理に寄与することが期待できる」と話す。これまで国や県が管理する候補地域内では、学術研究のための立ち入りも厳しい規制があったが、今回の連携により手続きなどが簡素化される見込み。鹿大の佐野輝学長は「研究者の負担が軽減できる」と期待していた。

 両島を含む奄美・沖縄の世界自然遺産推薦候補地は、今年6月に予定されていた国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会での遺産登録を目指していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で委員会が、来年以降に延期となっていた。来年6月に今年予定していた中国で世界遺産委が開かれ、審査される見通しとの一部報道もある。