「琉球列島で初確認」

ヤハズアオハタ、笠利沖で
笠利町の岩元正男さん釣る

 奄美市笠利町の岩元正男さん(奄美漁協所属)は26日、あやまる岬沖の水深約70㍍の海域で変わったハタ類とみられる魚を釣り上げた。奄美漁協から奄美市名瀬港町の前川水産(前川隆則代表)に持ち込まれ、魚の写真を携帯メールで鹿児島大学総合研究博物館の本村浩之教授(館長、専門は魚類分類学)に送り、鑑定依頼したところ、「ヤハズアオハタ」と分かった。本村教授によると、「琉球列島では、初めての確認」としている

 奄美漁協によると、岩元さんは、瀬物一本釣り漁師。「見たことがない魚が釣れた」と話していたという。前川水産で計ると、全長約71㌢、重量約5・3㌔あった。

 本村教授は「ヤハズアオハタなど、この仲間は、中国大陸、日本本土などの大陸棚に生息している魚。日本では鹿児島県本土、宮崎県、和歌山県などで確認記録がある」「奄美群島などの上の海域には黒潮が流れており、奄美群島でヤハズアオハタが釣れた記録はない。琉球列島で初の確認になる」としている。

 前川代表は、名瀬漁協市場に変わった魚が水揚げされると、鹿大総合研究博物館の本村教授の元へたびたび送り、鑑定を依頼し、珍しい魚の発見に貢献してきた。珍しい魚は鑑定後、同博物館で標本にされている。

 今回のヤハズアオハタも同博物館へ送る予定。