日展書で初入選

日展初入選の通知を手にする徳永さん

国立新美術館に展示される徳永さんの「書」(写真提供日展)

奄美市名瀬、徳永さん 「渾身の出来が評価された」

 日本最大の公募展に位置付けられる、公益社団法人日本美術展示会(=日展)主催の「改組新第7回日展」がきょう30日から、東京都の国立新美術館で開かれる。このほど各部門の入選者発表があり、奄美市名瀬の徳永正子さんが書の部門で初入選。徳永さんは「渾身の出来と思える作品が評価され、うれしく思う」と喜びをにじませている。

 今年度の日展は、日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5部門の計約3千点を展示。県内からは洋画、彫刻、工芸美術、書の4部門で計30人が入選した。

 書は全国から8千点を超える応募があり、入選作品1069点を選考。徳永さんの作品は横2・4㍍、幅0・6㍍の紙に万葉集の和歌三首をしたためている。

 徳永さんによると周囲の勧めで昨年、日展に初応募。2回目の挑戦となった今年は「5月から4カ月間、ひたすら書くことに没頭した」という。

 20代の頃から書に親しみ、市内で教室を開いて後進の指導、育成に携わってきた。南日本書道展(南日本新聞社主催)で優秀賞を複数回受賞しているほか、他の展示会でも受賞歴を持つ。雅号は華風。

 「書き上がった時、過去のどの作品よりも納得できる仕上がりだった。日展からの入選通知には驚きで震えが来たほど」

 出来栄えと結果の両方に満足する徳永さん。今後については「長年培った経験と技術を地域の子どもたちに伝えたい」と話している。

 展示期間は11月22日まで。