運用見直しで説明会

農家の前で運用見直しについて謝罪する九州農政局の職員ら=和泊町=

農家支援のコロナ交付金
和泊町で

 【沖永良部】新型コロナウイルス対策で農家を支援する国の事業「高収益作物次期作支援交付金」の運用見直しに伴う説明会が30日、和泊町のやすらぎ館であった。コロナで売り上げが減った品目だけが対象となることや、減収を証明する申告書の提出が条件に追加。質疑では、書類の提出期限や財源を心配する意見が出た。

 同交付金は、コロナの影響で損益を被った野菜や花き、果樹、茶等の農家を支援するため、次期作に必要な資材や苗の購入費用を助成するもの。10㌃当たり5万円を基本に、施設栽培の花きは同80万円を支給する。今年度の第1次補正予算で242億円を計上している。

 農林水産省は当初、交付対象者を今年2~4月の出荷実績がある農家とするなど幅広く設定していたが、10月12日に運用見直しを発表。前年より売り上げの減少を確認した上で交付するとし、減収を証明する申告書の提出を要件に追加、さらに減収額を交付額の上限とした。

 同日は、午前と午後の2回の説明会に合計213人の農家が出席。最初に九州農政局鹿児島拠点地方参事官室の宮本孝総括農政推進官ら3人が「大変な混乱を生じさせたことに心よりお詫び申し上げます」と謝罪。その後、制度の概要や申告書の書き方を説明した。

 質疑では、「財源を超える申請があった場合はどうするのか」との質問に、九州農政局の職員は「国の3次補正予算で対応する」と答えた。このほか、申請書の作成について農協に提供しているデータの活用を求める意見もあり、会に参加していた農協の職員は「昨年と今年の出荷データを準備しておく」と述べた。

 交付金の第3回公募期間は11月30日までで、役場や農協、花き専門農協への申請書の提出締め切りは11月13日となっている。

 参加した花き農家の沖裕任さん(72)は「期待していた農家は多かったはず。私も今回の公募に合わせて準備をしていたが、交付されないだろう」と話した。