天城町で陸自「島嶼演習」

島嶼侵攻事態の第一線負傷者の救護・航空機搬送など、陸自西部方面隊衛生隊などの実働演習公開=1日午後、天城町総合運動公園


「野外病院」内部で応急処置訓練を行う衛生隊員ら=天城町防災センター敷地

第一線負傷者の救命搬送
衛生隊演習を一部公開

 【徳之島】陸上自衛隊西部方面隊(熊本市)を主体にした島嶼(しょ)侵攻事態に備えた大規模演習「2020年度実働演習(02鎮西演習)」が奄美群島の4島でも展開中だ。うち天城町防災センターや総合運動公園では1日午後、西部方面衛生隊や後方支援隊による第一線(戦闘)における負傷者の搬送や野外病院への収容・処置など、実働演習の一部が報道公開された。

 九州・沖縄地方を中心とした今年の「02鎮西演習」は先月16日に開始。島嶼部の防衛を目的にした各種事態への対処訓練を、奄美群島では奄美大島・喜界島・徳之島・沖永良部島の計4島で実施。徳之島では天城町防災センターで衛生隊を中心に約180人、伊仙町では施設隊など約100人が演習(航空自衛隊除く)。撤収作業を含め6日ごろまで予定している。

 衛生隊の演習公開は午後1時ごろからあった。島嶼部侵攻に対する第一線の負傷者搬送用の救難ヘリコプターUH‐60が同町総合グラウンドに着陸。救急車両で、町防災センター敷地にテント仮設された野外病院に収容。輸血や滅菌、検査や救命機器、手術室なども仮設した野外病院内では、医官など衛生隊が応急処置に動いた。防災センター屋内ホールには患者収容スペースと、全体の「指揮所」も置かれ、一体となって実働演習を展開。各種装備などの説明もあった。

 今回の演習について、西部方面衛生隊長の白石智将1等陸佐(48)は「さらなる練度向上が必要な点もあるが、現時点では非常に良い訓練ができた。まず離島の患者の救命率向上に努めたい」。課題については「航空機との連携が大きな課題」とも。ほか「施設を使わせていただくには、島の人たちと良い関係を築くことも大事。地元の方の差し入れなど非常に良い環境で訓練をやらせていただいた」と話した。