干潟に降りる鳥を探す参加者たち
大瀬海岸の清掃も行った
NPO法人奄美野鳥の会(鳥飼久裕会長)主催の創立記念探鳥会が3日、奄美市笠利町大瀬海岸であり、19人が参加した。遠くシベリアや本州から飛来する渡り鳥や、周辺の生きものを観察した。
同会は1988年11月3日創立で、33年目に入った。会員数は約380人。創立時にこの大瀬海岸で探鳥会を行い、以後毎年11月3日に同海岸で開催している。
探鳥会は創立時からのメンバーで第二代会長を務めた高美喜男さんが担当。「創立33年目を迎えられた。世界自然遺産ということで自然に興味を持つ人も増えるはず。奄美野鳥の会もこれまでやってきたことを大事にしながら活動を広げていきたい。ここはシギ、チドリなどの渡り鳥にとって大事な場所。特徴のある鳥を一つでも二つでも覚えてほしい」とあいさつ。
そして、▽一般にチドリの仲間はくちばしが短く、シギの仲間はくちばしが長い▽潮が引いてくるとゴカイやカニ、貝などの餌がとりやすくなるため鳥が干潟に次々と降りる▽鳥は夏と冬で羽が変わり、シギやチドリは夏羽のほうが鮮やかーなどの説明があった。参加者たちは双眼鏡や望遠鏡で干潟に降りる鳥を探し、図鑑で種類を確認したりした。
この日は天気もよく、1時間ほどでダイゼン、メダイチドリ、キョウジョシギ、サルハマシギ、カワウなどの旅鳥(旅の途中に奄美に寄る)や冬鳥(奄美で越冬)、クロサギ、リュウキュウツバメ、カワセミなど15種類の鳥を見ることができた。
また探鳥会終了後は、参加者全員で大瀬海岸の清掃を行った。
創立時からのメンバーだった勝山初代さん(74)は「体を壊して3年ぶりに参加したが、とても楽しかった。やはりみんなと一緒にいろいろ話しながら鳥を見るのは一人で見るよりずっと楽しい。忘れていた鳥も思い出せる。探鳥会はいいなあ、と改めて思った」と話した。
同会の高さんは「毎月探鳥会をしているが、きょう初めて参加した人もいる。これを機に野鳥や自然に興味を持ってくれたら、と思う。これからも探鳥会を続け、世界自然遺産を期に盛り上げていきたい」と語った。
「奄美野鳥の会」入会希望や問い合わせは電話0997・57・7593まで。