サラワクイルカ死亡漂着

奄美市名瀬根瀬部海岸に死亡漂着していたサラワクイルカ(奄美海洋生物研究会提供写真)

奄美市名瀬・根瀬部海岸
海洋生物研が解剖、埋設処理
漂着個体、見かけたら連絡を

奄美海洋生物研究会(興克樹会長)は11日、奄美市名瀬の根瀬部海岸で9日に発見されたサラワクイルカを解剖し、現地へ埋設処理を行った。漂着個体は下顎先端部が破損していたものの大きな外傷はなく、胃内容物としてイカ類のくちばしがあることから、直接的な死因は不明とした。

波打ち際に打ち上げられた同個体は、9日に清掃作業員が発見し市環境対策課を通して同会へ伝わった。体長211㌢の雌で、腐食は少なく、死亡してからそれほど日数は経過していないと推測した。

11日は同会の興会長、木元侑菜さん、伊藤圭子さんで解剖と現地への埋設処理を行った。埋設した骨格は、約1年後に標本用に回収される予定だ。

サラワクイルカは熱帯の外洋性のイルカで、沿岸域には生息せず、奄美大島沿岸で発見されるイルカはミナミハンドウイルカが多い。

今年6月には、同市住用町城海岸でハンドウイルカの仔イルカの死亡漂着が報告されている。

また、今年はウミガメの漂着が例年よりやや多く、現在の漂着数は計11個体で、アオウミガメ6、アカウミガメ3(1個体は生存)、タイマイ2個体だった。その中でアカウミガメとタイマイ各1個体は今年孵化したばかりの子ガメだったという。

同会は、「これからの季節は北西の季節風が強まり、例年漂着件数が増える」とし、漂着個体を見つけた場合には各市町村窓口、または同会(電話090・8014・9801)まで連絡をするように呼び掛けている。