車いすバスケ体験パラリンピック講演会

生徒たちと車いすバスケを楽しむ網本さん

大和中で日本代表網本さん講演
「自分の人生は自分で決める」

 子どもたちにオリンピック、パラリンピックへの理解を深めてもらおうと、13日、大和村立大和中学校(有村哲郎校長)で、世界で活躍する女子車いすバスケットボールの網本麻里選手(31)の講演会があった。同校の生徒や村内の4小学校の児童ら計32人が参加、網元さんは「自分の夢を見つけるために」と題し、車いすバスケとの出会いやパラリンピックに日本代表として出場を目指している思いなどを語った。講演会後には、子どもたちと一緒に車いすバスケも楽しんだ。

 網本選手は足に先天性の障がいがあり、2歳の時に手術した。普通に歩けるようになり、小学生の時にバスケを始め、「将来はオリンピック出たい」と思っていたが、再び手術が必要となり、その夢は断たれた。そんな時に出合ったのが車いすバスケだったという。

 16歳で日本代表に選出され、19歳で迎えた 08年北京パラリンピックでは、大会得点王(7試合133点)を獲得。オーストラリアやヨーロッパのチームに所属するなど世界を舞台にプレー。来年に延期された東京パラリンピックでの活躍も期待される。

 講演会では、障がいについて「つらいと思ったことはない。チャームポイントの一つ」と話し、「車いすバスケの代表として、東京パラリンピックに出ることが今の目標」と語った。

 講演のほか、車いすバスケの体験もあり、子どもらは実際に車いすに乗ってドリブルやシュートなどを体験、網本さんと1人対3人でゲームをするなどして楽しんだ。3人を相手に、コートの中を縦横無尽に駆け抜け華麗にゴールを決める網本さんの姿に子どもたちからは歓声が上がった。

 講演会の最後、網本さんは「できないからあきらめるのではなく、できるまで、納得するまでやってみる。自分の人生は自分しか決められない。小さなことでもいいから、目標に向かって頑張ることが大事。いつかいいことが待っている」などと、子どもたちに夢に向かって努力することの大切さを訴えた。

 同中3年の奥田寛太君(15)は「とても楽しかった。車いすに乗りながら、素早く動きドリブルする姿がとてもかっこよく、障がい者スポーツに対する見方が変わった」と話し、同中2年、井上奈津美さん(14)は、「家族への感謝を忘れず、努力を続ける姿に感動した。私も家族にありがとうと言えるようになりたい」と話した。