徳之島町3小中で津波防災・出前授業

徳之島町3校であった気象台の出前授業「津波防災ワークショップ」=14日、東天城中

「まず真っ先に避難を」
鹿児島気象台

 【徳之島】鹿児島気象台(鹿児島市)の出前授業「津波防災ワークショップ」が13、14日にかけて、徳之島町の花徳小(児童数34人)、母間小(同30人)、東天城中(生徒数33人)の3校でそれぞれあった。子どもたちは、実例を交えた地震・津波の基礎知識の授業と、外出先での地震・津波遭遇を想定した素早い避難対応の大切さなど地図上のグループワークで危機意識を共有した。

 同気象台が県内の小中高校などを対象に毎年実施している出前授業の防災ワークショップと、徳之島町が今年度から2年間モデル指定を受けた文部科学省「学校安全総合支援事業(学校安全推進体制の構築)」をリンクさせた取り組み。とりわけ花徳小、母間小、東天城中の3校は海岸近くに位置。加えて東天城中は、校舎の老朽化・耐震性も懸念されている。

 同3校での出前授業の先生は同気象台と名瀬測候所の職員4人が担当した。映像も交え津波の特徴、①すざまじい破壊力②伝わる速度が速い③繰り返し襲ってくる④「引き波」からとは限らない―なども解説。このあと津波防災ワークショップで疑似体験。1人でイベント会場に向かう途中、突然大きな地震が発生。時間の経過とともにさまざま場面に遭遇した―と想定。迅速なコミュニケーションで判断する地図上でグループワークした。

 最終日(14日)の東天城中(末留健太郎校長)の体育館での同グループごとの意見発表では、「一番大切なことは情報を確認し、安全かつ早く逃げる」「できるだけ高いところに避難」「冷静に考えて行動し、自分の命は自分で守るべき」など意見の発表も。

 関係者にお礼を述べた生徒会長の竹山大貴さん(3年)は、「(地震発生時は)親の迎えとかを待たず、それぞれの命を守るためにも1人1人で逃げたほうが良い。近くには海があり、家族と逃げる場所も話しあっておくとそれぞれの命が守れると思った」と感想を話した。