女性候補2人、躍進 トップ永井さん、福田さんW当選

初当選を果たし、支持者と喜びを分かち合う永井さん(22日午後10時ごろ)
初当選を果たし笑顔を見せた福田さん(22日午後10時ごろ)

瀬戸内町議選
女性目線での町づくり期待

「みなさんの声を必ず町政に届けます」。22日投開票の瀬戸内町議会議員選挙(定数10)で女性候補2人が躍進した。ともに新人で無所属の永井しずのさん(61)がトップ、福田鶴代さん(58)も激戦を制し、ダブルで当選を果たした。同選挙で女性議員の誕生は初めて。子育て支援、共生社会の実現など女性目線での町づくりの手腕に期待が集まりそうだ。

永井さんは805票を獲得し、新人ながらトップで当選する快挙。現職、新人、元職の計15人が入り乱れ、混戦模様となった今回の議選では「女性の意見を行政に」をスローガンに、女性票の取り込みなど票の掘り起こしと幅広い支持の拡大につとめた。

「奄美シマ唄日本一大会」の大賞受賞経験者でシマ唄者として知られ、これまで地域で民生委員、地女連役員、人権擁護委員を務め、知名度、貢献度ともに高く、当初から有力候補に挙げられていた。

選挙期間中は、▽地域を担う人材の育成▽伝統・文化の次世代継承▽支え合うまちづくり―など市民サービスの向上を重視した公約を掲げ、町内一円をくまなく奔走。そうした選挙経験のない草の根での訴えが実を結び、トップ当選につながった。

同町瀬久井の自宅には午後8時の開票前から支持者が集まりだした。同9時50分過ぎ、「トップ当選」の知らせが届くと事務所内に詰めかけた支持者から大きな歓声と拍手が鳴り響いた。

姿を現した永井さんは支持者から花束を手渡されると満面の笑みを見せた。歓喜の輪の中で「皆さまからいただいた負託の重さをあらためて実感。今後、町内全集落を回って住民の声を聞き、必要な政策を考えたい」と抱負を述べた。

一方の福田さんは415票を獲得し当選。当選の一報を聞き「陰で多くの人に支えられ、当選を果たせたことにお礼をいいたい」と感謝の言葉を述べた。

選挙期間中、福田さんは35年務めた保育士の経験を踏まえ、保育士などのスタッフ不足や医療現場の環境改善を訴えた。「保育所の整備や待遇改善など、これまで様々なことを議会に訴えてきたが届かなかった。それなら自分で変えたかった」と出馬した動機を語った。

当選の知らせを受けた午後9時55分ごろ、大勢の支持者から祝いの言葉が届けられた。「ささいなことでも女性だから感じることもある。誰でも気兼ねなく話せるのも女性の強み。大勢の人と意見を交わしながらよりよい方向に動くよう、みんなをつないでいきたい」と決意を新たにした。