奄美を世界へPRしようと、県と県観光連盟は21日~23日まで県内在住の外国人を対象に奄美のモニターツアーを実施した。世界自然遺産登録を見据えた試み。SNS(ソーシャルネットワークサービス)に、母国語で1スポット1投稿以上することを条件に6人が来島。主要な観光名所を巡り、奄美を堪能した。
投稿期限は来年3月までと期間があるものの、参加者はツアー中も情報を発信しており、リアルタイムで寄せられる反響を楽しんでいた。
参加者の国籍は中国、台湾、韓国、ベトナム、カナダ、イギリス。ツアーでは二つのコース▽A~奄美大島フォトジェニック旅~▽B~島人の暮らしに触れるウェルネス旅~ーに分かれ行動。県観光連盟職員や、島内の観光団体の職員、通訳も同行した。
Aコースは瀬戸内町や奄美市を中心に、写真映えする観光・文化スポット、海や川でのアクティビティを楽しんだ。Bコースは宇検村、龍郷町を中心に酒造会社や染色工房で体験活動を行い、奄美の文化や自然を身近に体感した。各コースとも2泊3日で十数カ所のスポットをまわった。
龍郷町戸口の染色工房「金井工芸」で泥染めを体験したリ・ジュンギョンさん(38)は、日置市で韓国料理のカフェやインバウンドを対象とした旅行会社を経営しつつ、韓国へ向けてブログで鹿児島の情報を発信しているという。「ブログを通じて韓国から旅行客が多く来ていた実感はあった。奄美に旅行で来たのは初めて。開発されすぎていない自然や、島民の飾らない人柄が魅力的。さまざまな体験活動の感想を伝えたい」と話した。
県観光連盟海外誘致部の森田美紀子さんは「想像以上に手ごたえがあった。今は身軽に動ける状況ではないものの、発信を通じて徐々に奄美のファンを国外に増やしていただけたら」と期待した。