養成講座の実習では大島海峡に分布するサンゴの生態を調査した(BLUE School Design提供)
サンゴや海洋生物に関する講座で、説明に耳を傾ける受講生(BLUE School Design提供)
奄美大島南部の大島海峡に分布するサンゴ礁の状態を調べようと 「瀬戸内海を守る会」(祝隆之会長、16業者登録)はこのほど、海峡内でリーフチェックを行った。サンゴ礁を含む海洋環境の維持、健全化に取り組む人材養成講座で実施。受講したダイバーらが必要な知識やスキルを学んだ。
同町体験型観光メニュー利用者促進事業の一環。「BLUE School Design(ブルースクールデザイン)」=同町清水=が事業受託し、町内のダイビング事業者でつくる同会が講座開催を担った。
「リーフチェック」はサンゴ礁が持続可能な方法での管理を目指す国際プログラム。海底調査などでサンゴの被度や個体数を把握し、保全活動につなげるものだ。
講座は地元でリーフチェックを行えるよう、チームのリーダーなど必要な人材育成が目的。同町古仁屋のきゅら島交流館を会場に町内のダイビング事業者9人が受講した。
3日間(11月9~11日)の日程で専門家による講義と、実習では底質の分類やチェックの疑似調査を経て、現地で本番作業を体験。最終日は学科テストがあり、全員認定された。
講師で日本自然保護協会のコーディネーターを務める安部真理子さんは「大島海峡内はサンゴの種類と被度が高く、優先的に保護すべき必要がある」とした上で、「参加者の学ぶ姿勢が強く感じられた」と評価した。
受講者の多くは同会メンバー。観光資源を守ろうとダイビング業を通し、これまでも海底清掃など海洋環境の維持に取り組んできた。
祝会長は「講座を通じて、多くのスキルを身に着けることができた。団体としても、周囲の意見を取り入れながら大切なサンゴの保全につとめたい」と述べ、あらためて今後の活動に意欲を見せた。