記者会見で、採石業者の事業認可取り消しなどを訴える「自然と文化を守る奄美会議」のメンバーら
奄美会議 不認可陳情、県議会は継続審議中
戸玉の採石場
奄美市住用町の戸玉集落に隣接する採石場で操業する民間業者が、県に申請した「岩石採取計画の認可申請」について、県が10月15日付で計画を認可したことに対し、自然環境への影響などから採石事業に反対する市民団体「自然と文化を守る奄美会議」のメンバーらが26日、県大島支庁で記者会見を開き、県に事業認可取り消しを求めることを明らかにした。
県大島支庁などによると、採石業者は昨年12月27日に計画の変更認可を申請、県が2月に受理、認可の可否について審査を行っていた。
採石場を巡っては、同集落の住民らが4月、「採取計画の認可申請」に対し、反対する「請願書」を県大島支庁に提出、業者の申請を認可しないよう要請。同会議も県議会に認可しないよう求める陳情を行っており、現在、県議会で継続審議となっている。
記者会見を行った同会議の薗博明共同代表らは、県議会が継続審議中としている状況にも関わらず、事業が認可されことを「議会軽視」などと指摘。「採石業者は住民との公害調停を順守しておらず、採石法で禁じられている公共の福祉に反している」などとし、認可の取消しを求める要請書を近く、県大島支庁に郵送する方針を示した。
県大島支庁は、採取計画の変更について、採石法に基づき認可したことを明らかにしたうえで、「計画内容の審査が終了、問題点などがなかったため認可することにした。県議会での協議とは関係ない」などとしている。また、県に提出した奄美市の意見書には、採石法に基づく公共の福祉に反する事項について「特になし」と回答している。