県大島支庁農政普及課は27日、2020年産サトウキビの生産見込み(11月1日現在)を発表した。奄美群島全体の生産量は前年比6%、平年比でも7%上回る約39万㌧を見込んでいる。島別では喜界島のみ減少予想、他の地域は増加する見通し。
生産量見込みは前年より2万2614㌧の増加。同課は「群島北部に接近した台風10号により、喜界島を中心に倒伏や葉部裂傷、折損等の被害を受けた一方で、それ以外の地域では台風等の影響も少なく概ね順調に生育している」としている。喜界町農業振興課によると、9月の台風10号被害は島内全域に及び、特にキビ農業が盛んな荒木地区など島内南部で目立ったという。さらに10月に接近した台風14号では北部を中心に塩害に見舞われた。両台風被害で喜界島のみ生産量減少予想だが、同課は「若干回復しつつある」としており、今後の気象条件に期待している。
島別の生産量見込みは、奄美大島2万6298㌧(前年比3・3%増)、喜界島6万8845㌧(同11・8%減)、徳之島17万7299㌧(同12・4%増)、沖永良部島9万396㌧(同8・9%増)、与論島2万7468㌧(同17・4%増)。沖永良部島の生産量が9万㌧台に達すれば、群島全体で大豊作(生産量47万7637㌧)となった16年の9万6525㌧以来となる。
収穫面積の島別は、奄美大島561㌶(前年比0・9%減)、喜界島1415㌶(同8・2%増)、徳之島3407㌶(同7・1%増)、沖永良部島1709㌶(同6・5%増)、与論島394㌶(同3・4%増)。奄美大島のみ下回ったが、わずかな減少となっている。
単収の島別は、奄美大島4・690㌧(前年比4・3%増)、喜界島4・866㌧(同18・5%減)、徳之島5・204㌧(同5・0%増)、沖永良部島5・289㌧(同2・3%増)、与論島6・969㌧(同13・6%増)。喜界島のみ前年を下回り、残り4島は上回る予想で、なかでも与論は単収が7㌧近くまで上昇する見通し。