奄美大島警戒レベルを改訂

改訂された奄美大島コロナ警戒レベル。瀬戸内町での感染確認を受け、現在はレベル4となっている

「不要不急の外出自粛」削除
新型コロナの行動指針 具体的な行動メッセージで発信

 奄美大島の5市町村は11月30日、島内における新型コロナウイルス感染症の行動指針などを示した5段階の警戒レベルを改訂した。これまで警戒レベル4以上の状態で住民に求めていた「不要不急な外出の自粛」を行動目安から削除したほか、5市町村で統一していた公共施設などの対応を、新型コロナ発生市町村に限定した対応方針に変更するなどした。

 1日、奄美市が記者会見を開き、改訂を行った目的などについて説明した。改訂は、新型コロナの感染が全国的に拡大するなか、従来の行動指針が現状の対応状況に即していないことなどから見直した。島内では、30日に瀬戸内町で感染者が確認されたことを受け、同日警戒レベルを「3」(感染者無し・感染リスク高い)から「4」(島内で感染者確認)に引き上げられている。

 主な改訂内容は、警戒レベル4について、これまで、島内での感染確認のほか濃厚接触者の状況や感染経路の状態を細かく設定していたが、改訂後は「島内で感染者確認」と簡潔化することで、より分かりやすくした。レベル5の状態では、「政府による緊急事態宣言発令」の文言を削除、島内で集団感染が発生した場合、国の対応に関わらずレベル引き上げを実施する。一方、緊急事態宣言が発令された場合は、警戒レベルに関わらず、協力要請などを行う場合もある。

 レベルごとの行動の目安では、レベル4と5に記載していた「不要不急の外出を控える」の項目を削除、住民や事業者、来島者に感染防止対策の徹底を求めるほか、レベル5では「最大級の警戒」を呼び掛ける。

 こうした対応について、奄美市は「警戒レベルは感染対策の目安。具体的な対応などについては、感染状況などに即し、その都度発信する個別のメッセージで説明していく」と説明。警戒レベルとメッセージの2段構えで対応する方針を示した。

 警戒レベルは、脆弱な離島医療体制の状況などを踏まえ、5市町村が連携して感染対策に取り組むことなどを目的に7月に策定。11月に龍郷町で感染者が確認された際は、レベルを3から4に引き上げたが、不要不急の外出自粛要請や公共施設の休館などの対応は、龍郷町のみに限定され、警戒レベルに基づく行動と実際の動きに違いがあり、見直しの必要性が指摘されていた。