12月定例県議会は4日、一般質問が始まり、同日は成尾信春議員=公明党、鹿児島市・鹿児島郡区=、田之上耕三議員=自民党、霧島市・姶良郡区=、伊藤浩樹議員=自民党、出水市区=、郷原拓男議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=が登壇。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により引き続き県民生活や県経済への大きな影響が及んでいることから、2021年度当初予算基準における新規事業の取り扱いでは、「新型コロナ感染症枠」を創設したことが説明された。
平木万也総務部長が答弁。創設された同枠で対象となる事業は、「感染防止対策や医療提供体制の確保充実、雇用の維持、事業の継続、経済活動の回復に資する事業などを想定している」と述べた。
新型コロナ対応地方創生臨時交付金の現状に関する答弁によると、現在、国から鹿児島県に示された交付金額は国の第1次補正予算と第2次補正予算合わせて221億800万円余りで、単独事業の財源に充てるために配分。12月補正までに交付額の87・21%に当たる192億8100万円余りを活用しており、このうち新しい生活様式を踏まえた地域経済活性化への対応分として117億3500万円余り、事業継続や維持などのほか、感染拡大防止対策の対応分として75億4600万円余りを活用している。こうした事業の効果検証について平木部長は「事業終了後にその実施状況や効果をまとめ公表するよう国から示されており、今後その手法について検討したい」と答弁した。
PCR検査に関しては、鹿児島大学で考案された検査キットが取り上げられた。地頭所恵・くらし保健福祉部長は「開発者によると、唾液で新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスA型およびB型を同時に測定でき、検査に要する時間も他の検査機器に比べて短いことなどから県として関心を持っている」と述べる一方、この検査方法は「まだ実用を重ねたばかりであることから、今後実績が蓄積される中で確立されていく客観的な評価の情報等を収集していきたい」との見解を示した。
医療等資材供給促進事業の事業採択について、五田嘉博・商工労働水産部長は「これまで制度内容を県のホームページに掲載するとともに、メールマガジン配信、業界団体を通じ県内2千社以上の企業に周知を行った」と報告した。
同事業は不足する医療等資材の供給促進を目指し、県内企業で医療等資材を供給する企業を対象とした補助金を創設。試作品製作などにかかわる費用を助成するもので、マスク、ガウン、防護服、フェイスガード、ゴーグル、手袋、ヘアキャップ、シューズカバーのほか、消毒用製品(アルコール製品等)も助成対象としている。