国語と科学、教科横断し探究

オンラインの公開授業で、奄美の生物多様性学ぶ大島高校1年1組生徒たち

大高1年1組 オンラインで授業公開
奄美の生物多様性学ぶ

 県立大島高校1年1組(38人)による「2020年度横断型授業研究開発プログラムSTEAM部門研究授業」の授業公開が10日、奄美市名瀬の同校であった。新型コロナウイルス感染対策のため、県内の学校をオンラインで結んで各高教諭らが視察。生徒らは、国語の授業に科学の考え方を取り込むなど教科を横断しながら、奄美の生物多様性を探究した。

 授業は、「総合的な探究の時間」として取り組むSTEAM教育の一環。STEAMは、科学、技術、工学、芸術、数学の英単語の頭文字を組み合わせた造語で、地域が抱える課題や分野横断的な問題について、生徒が自立的に取り組む探究的な学びを重視している。

 この日は、同校の田村圭太郎教諭が教鞭を執り「国語総合」(現代文)を主教科に、森大地教諭担当の「科学と人間生活」(生物)を横断。生物は分解や合成、摂取や排出を繰り返しながら秩序を保つという意味の「動的平衡」の単元を使用教材に、奄美の生物多様性を探った。

 授業では、動的平衡をキーワードに生徒一人が奄美の生物一つをピックアップし黒板に掲示。「ミミズは重金属の分解に役立っている」「イノシシはウミガメの卵を食べている」など発表し、科学的根拠を基に影響し合う生物の相互関係などをつないでいった。

 授業を受けた嶺塁守=るいす=さんは「国語の授業でも科学の授業のようだった。楽しかった」。田村教諭は授業を振り返り「国語の知識だけでは深まらない部分も、科学を組み合わせることで補える。意欲的な取り組みだった」と話した。

 この後は、オンラインで授業研究。各校教諭らとこの日の授業について意見を交わした。